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システム管理者として独り立ちするための Salesforceの学び方

 2022.03.01 customer_success

こんにちは。お客様向けのイベント開催やSalesforce活用促進のための情報提供などを担当しているNです。

Salesforceを用いたDX推進や運用内製化に関するイベントを不定期開催しておりますが、毎回ご質問いただくのが「Salesforceのシステム管理者として独り立ちできるには、どう学んだら良いのか?」「セールスフォース人材はどうすれば育つのか?」という点です。
弊社含め、各社様でも課題感をお持ちであることを実感します。

「どこまで行っても、資格取っても Trial and Error!日々是勉強!」なのですが、それでは気が遠くなってしまうので、「まずは ここから!」というポイントをお伝えします。

はじめの一歩は 公式資料で学ぶ

「Salesforceシステム管理者に任命します。つきましては費用を出すので1週間 認定トレーニングに行ってきて下さい。」

・・・こんな美しい境遇を与えてもらえる環境は、実際のところあまり存在しないことでしょう。皆様、本業がご多忙で 1週間も会社を空けられません。

では、どうするか。
Salesforceを契約して、初めての方が学ぶための資料がちゃんと準備されています。
まず、自社のSalesforce本番環境にログインした状態で、ブラウザの別タブから「カスタマーサクセス日本」グループにアクセスします。(ログインを求められたら、本番環境のユーザー名でログインします。)

画面右エリアに掲載されている、初めての方へ「ウェルカム・キット」ここに注目します。

Salesforce Welcome Kit Image

<※Salesforce カスタマーサクセス日本 より引用>

「Welcome kit」〜 最もやさしく、最も重要な導入書 〜

これが世の中で最もやさしい日本語での導入解説書です、と私は確信しています。
カラー版の親しみやすいデザインで、最低限必要なことと最も大切なことが書かれています。
準備編、設定編、ユーザートレーニング編の3冊にまとめられていますが、1冊目の「準備編」では、動画による解説まで用意されています。(注)資料の閲覧にはTrailblazer Communityへのログインが必要です。

実はこれ、最初にきちんと学んだか、学ばなかったかで、その後の貴社の運命が大きく左右されます(本当です。)

なぜならば、この導入書は 単なる「操作マニュアル」ではなく、「貴社は何故 Salesforceを使うのか」「貴社は何を実現したくてSalesforceを導入するのか」をじっくりと考えることを解説されているからです。動画は30分程度の内容なので、途中からSalesforceを使うことになった社内のユーザの方にも、ぜひ視聴していただきたい内容です。


極端に言うと、Salesforceは「初期設定しなくても 今日から使い始められてしまう」システムです。一方で、「貴社のゴールに直結するための 初期設定」を行わないと、ただの「情報を貯めただけの入れ物」に成り下がってしまいます。何の分析もできない雑多なデータの山が大きくなってしまってから、後日そのことに気が付いた頃には、後戻りが大変です.... 本当に大変なのです。(大切なので、繰り返します。)

ちなみに、カスタマーサクセス日本 グループでは、日々たくさんのウェビナーや動画、活用促進のための資料が公開されています。膨大な量に戸惑うかもしれませんが、これらの情報を適時入手して、隙間時間に少しずつ学ぶのも良いでしょう。

Salesforce カスタマーサクセス日本 グループ情報より引用 <※Salesforce カスタマーサクセス日本 グループ情報より引用>

まずは 各製品ごとの 全体像を知る

ウェルカム・キットには、超基本中のキホンが書かれていますが、これだけではシステム管理者の仕事は回りません。ちょっと荷が重いかもしれませんが、管理者が知っておくべき範囲だけでも分かっておく必要があります。システム管理者(アドミニストレーター)が実装できること/プログラミングできる技術者でないと実装できないこと、の大枠を知っておくことも大切です。

「受験ガイド」で守備範囲を知る

セールスフォースの公式サイト:資格一覧から受験ガイドをダウンロードします。受験するかどうかは追々考えましょう。。。
ここには、Salesforceのシステム管理者として知っておかなけれなならないことが網羅されています。出現する「用語」だけでも心に留めておきましょう。

「Trailhead」で ひととおり を学習する

有償の認定トレーニングを受講できない場合は、無償の「Trailhead」で自学します。
受験しない想定であっても、最短コースで全体像を学ぶにはセールスフォース社 Trailhead Academyが開催する「Salesforce Certification Days」が紹介する「資格対策Trailheadコンテンツ」(画面下部)を学習するのが最もコンパクトでしょう。例えば「認定アドミニストレーター」コースで50時間弱...そこそこのボリュームですが、必要な内容が網羅されていることは間違いありません。計画を立てて、地道にこなしてゆくのが結果的には最短コースと言えるでしょう。
日程のタイミングが合えば、「Salesforce Certification Days」(画面上部)で開催される、受験者対象の無償ウェビナーを受講するのも良いでしょう。半日〜1日程度の所要時間で全体像について受講できます。

Salesforce Trailhead.学習して獲得した成果がバッジとポイントで示されます

<※Salesforce Trailhead 画面より引用。頑張った学習状況がポイントとバッジ(ランク)で表示されます。>

もし余力があれば、公開されている「Trailmix」やピンポイントで学ぶ「モジュール」、実際に手を動かして設定しながら学べる「プロジェクト」を活用すると、より機能が身に付くでしょう。コンテンツが膨大に用意されていますので、詳しくは https://trailhead.salesforce.com/ の「学ぶ」タブ (Learn タブ)をご覧ください。画面最下部の言語設定部分から、お好きな表示言語の指定もできます。

Trailheadの学習コンテンツは、学びを進めるにつれてポイントやバッジが貯まり、時々「おめでとう!」の紙吹雪を浴びて、地味〜 に ヨロコビを感じることができます。(笑)
これらバッジやポイントは、ご自身のプロファイル設定で世界中の全ユーザーに公開できます。また、ここでの頑張りを上長に伝えて、努力状況を視覚的に伝えることにも利用できます。

実際の現場では どんな課題があるのかを知る・質問してみる

セールスフォース社が展開する、各種コミュニティーには参加していますか?
たくさん有りすぎて、どれに参加して良いか分からない、そもそも ソレ何? という方は、まずは「カスタマーサクセス日本」グループ に [参加] してみましょう。そして [すべての投稿] のメール通知を受信してみましょう。(1日に数件、ぐらい通知メールが来る印象です。)

もし、メールの頻度を調整したい場合は、「日次」「週次」「受信しない」をご自身で選択することができます。(注:コミュニティーからのメール通知の時間帯や曜日は、システム管理者による設定でも 指定することはできません。)

Salesforceのグループからの通知頻度は自分でコントロールできます。<※Salesforce コミュニティー グループ画面より引用。メール通知の頻度は自分でコントロールできます。>

この「コミュニティ グループ」の配下には、多数のコミュニティグループがあります。
・「質問広場  ~初心者から上級者まで~ 日本」(質問だけが集まっているグループ)
・「製品アップデート情報 日本」(新機能やこれらに関するウェビナー情報など)
・  2022年から遂に適用されるMFA情報に特化した「多要素認証(MFA)コミュニティ 日本
・ 前述の Trailheadに関する情報が満載の「Japan Trailhead (日本)
そのほか、主要製品別のグループなど。

https://trailhead.salesforce.com の「コミュニティ」タブから、関心のあるグループを探して参加してみるのも楽しみのひとつです。世界中のユーザがどんなことに関心を持っているのか、どんな問答を繰り広げているのかを静観するのも勉強になりますし、質問を投稿したり、誰かの質問に回答を付けたり「いいね」してみることも、とても勉強になります。
もちろん、ここで、世界中の Salesforceユーザーと知り合いになることもできます!

仕様については セールスフォース・サポートに「問い合わせ」する

前述のコミュニティでは「どうしたら実現できたか」「2つ方法があるけど、どちらが良かったか」などの情報収集が可能です。しかし、お客様それぞれで独自の設定(カスタマイズ)が為されているので、その方法が自社の環境にそのまま適用できるとは限りません。実現できない場合は、あるいはご自身で実装した設定が誤っている可能性もあります。Salesforce Helpの記事を読み違えている可能性もあります。

こんな時、結局頼れるのはセールスフォース社の「サポートに問い合わせ」することです。
そもそもSalesforceの仕様として、実現可能なのか否かを教えてくれます。エラーが発生している場合は、実際の設定画面を見て、どこが誤っていそうか、指摘してくれる場合もあります。

Salesforce supportの問い合わせ画面(ケース起票画面とも呼びます。)<※Salesforce サポート お問い合せ画面より引用。日本語表示にも変更できます。>

Salesforceの管理に慣れていない場合、まずは「サポートへのお問い合わせ」をどう入力すれば良いのか、そこで立ち止まってしまう場合もあるでしょう。
そうなる前に、まずはこの記事「サポートへのお問い合わせ方法」を読んでおきましょう。
コトが起こる前に非難訓練しておくことは、大切です。

文字だらけの記事ですが、ご自身の本番環境からこの説明のとおりに操作できるか、触ってみましょう。選択肢の文言が難しいかもしれませんが、タイトル欄に「問い合わせたい内容・主旨」を明確に記述し、説明欄には「どう操作したらエラーが出てしまったのか、何をやりたいがために この実装を行ったのか」を丁寧に記載した上で、上記「記事」にあるように「画面キャプチャ」を添付することが有効であることを知っておきましょう。

赤いエラー画面にビックリして慌てて画面を閉じてしまう前に、とりあえず何であれ「全画面キャプチャ」を取っておく習慣を付けるのも良いかもしれません。全画面キャプチャには 問題を解決するための情報がたくさん散りばめられています。画像を小さくトリミングしてしまわずに、できるだけ多くの情報を含めて添付画像を提供した方が、エラー解消への近道であることも知っておきましょう。レポートやグラフについて解決したい場合は、手書きのイメージ図を画像化して添付するのも、サポート担当者に理解してもらいやすいでしょう。

なお、Salesforceにログインすらできない場合には、セールスフォース社のホームページ 画面上部の「お問い合わせ」をクリックすると、各種連絡手段が用意されています。

ユーザーグループ(ユーザー会)に参加してみる

ユーザーグループとは、Salesforceの有償ライセンスを持つユーザーだけが参加できる、セールスフォース社が運営するグループです。名前のとおり、ユーザーだけの会です。
参考記事:「アイデアとつながりの宝箱!リーダーが語る、ユーザ会の魅力とは?
*入会には、一定のお作法と きまり(「Salesforceユーザグループ会則」) があります。

ユーザー会の中では、会員限定で公開される「ユーザー企業が発表する事例資料」や 勉強会の動画、資料などがあり、これも非常に勉強になります。コロナ禍以前は対面による開催だったため、会への参加に時間的制約などがありましたが、最近ではオンライン開催がほとんどであるため、参加へのハードルが非常に下がった実感があります。また、中には業務時間後の夜間に開催されるものもあり、これもありがたい開催方法です。

そのほか、「Compass」というIT勉強会プラットフォームを使って 勉強会の開催告知や資料公開がされている会もありますので、ご興味ある方は覗いてみてください。お友達づくりにも役立つと思います。

応用方法は ブログ記事やSNSから学ぶ

数多く公開されているブログ記事で、最も信頼性が高いのはセールスフォース社が公開している「Salesforce サクセスナビ」です。製品ごと・機能ごとなど、分かりやすい日本語で書かれており、既存の資料や動画をまじえながら、理解しやすいコンテンツが展開されています。こちらは、順次新コンテンツが公開されているようですので、定期的にホームページをチェックすると、経験を積んだシステム管理者にとっても新たな発見が有ります。

手前味噌になりますが、弊社サークレイスでも2つのナレッジ記事コンテンツを公開しています。 
サークレイス コーポレートブログ(Salesforceの使い方、開発、運用、学び方 など)
guild tech for Salesforce(システム管理者が知っていると便利なTipsやマニアックな機能ご紹介、会員登録すれば読める、Salesforceの教科書的記事も。) 会員登録に際してのご案内は、こちらからお読みいただけます。

信頼できそうなブログを、検索エンジンサイトで探し当てるのも、ひとつの技術と言えます。
こちらは、検索結果のひとつの例ですが、検索語の入力方法ひとつで ヒットする記事は全く変わってきます。そのほか、さまざまな検索技もあるようですので、以下の記事も参考にしてみてください。
ITmedia記事:できる人のGoogle検索テクニック


GoogleChrome検索

 
個人ブログを参考にする場合は、筆者のプロフィール情報や取得している認定資格ロゴ、Trailheadのバッジ数、記事中の設定画面キャプチャーの量や 説明内容(書きっぷり)が 参考になるかもしれません。

*いずれにせよ、あくまでも個人によるブログなので、仕様について最終的に白黒付けるためには、セールスフォース サポートに問い合わせして確認することを忘れてはいけません。(これは、相当なる経験を持つシステムアドミニストレーターやエンジニアであっても、日常的に行っている確認方法です。)

おまけ として

せっかく学んだことを忘れないために、そして、知識を自分だけのものにしないために、記録を残す習慣を付けることも大切です。人に見せるために書くということは、きちんと説明できるような理解が必要です。

社員向けの環境に「Slack や Chatter に投稿で残す」「Quipなど共有ファイルに記事化して残す」、コンパクトな内容を「SNS投稿する」「個人ブログを書いて、他者からの指摘を敢えて受け入れる」などなど・・・
誰かに与えることで、逆に得るものも たくさん有ります。

そして、認定資格は「たかが資格、されど資格」です。
資格を取ったからと言って即戦力とは言えませんが、個人のスキルや努力の証明として、認定資格は有効です。受験費用は掛かりますが、セールスフォース社が提供する受験用キャンペーン・コードなどを上手く活用して、資格にチャレンジしてみるのも良いことだと思います。

ここまで書いておいてナンですが、「やっぱりSalesforce認定コースで ひと通りのSalesforceの機能を 講師から学びたい」という方は、ぜひこちらをご参照ください。弊社に所属するSalesforce認定トレーナーが各種研修コースをご提供しています。

まとめ

ここまでの長文にお付き合いいただき、本当にありがとうございます。

とは言え、ここに書いたのは、ほんの一部。学びの環境は非常にたくさん用意されています。やる気次第で Salesforceシステム管理者としてのスキルを向上の環境は本当に沢山あります。
そして・・・読んで下さった皆様の多くは「常時、本業で超多忙。こんな勉強を日常的にできる訳が無い!」というのも現実かと思われます。

まずはご自身で自力でやってみて、それでも難しそうだと思ったそんな時、システム管理者としての「独り立ち」までの一定期間、リアルまたはオンラインで “横に付いて” システム管理業務を伴走支援するサービスをご提供している、弊社サークレイスのことを思い出していただき、ご相談いただけると 非常に嬉しいです。

僭越ながら私個人の経験では、先輩社員の横で実際のシステム管理業務をOJTのように こなしながら、徐々に実力を身に付けていった、というのも体験済みの事実です。

私たちは、単純作業を代行するのではなく、お客様の成功のために 共に最適な方法を調査・検討し、実装し、より良い「ゴールへの道のり」をご一緒に作り続けるために、日々「カスタマーサクセス コンサルタント(認定アドミニストレーター/認定コンサルタント)」としてのスキルをご提供しているのです。

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