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商談フェーズの滞在期間を計測する方法

 2022.07.21 Circlace

こんにちは、アドミニストレータのSです。

商談管理において、商談のフェーズ、確度、完了予定日、金額といった商談の中でも重要な項目が「いつ」「だれによって」変更されたかというのは非常に重要かと思います。
その中でも、各フェーズの滞在期間を計測したいというご要望をよくいただきます。

こで、今回は商談フェーズの滞在期間を計測する方法をご紹介いたします。

単純に、フェーズが変更された履歴を残したい場合は商談オブジェクトに項目履歴管理を設定する方法があります。
「項目履歴管理」は、特定の項目をユーザが変更すると、日付、時間、変更内容、変更者と共に、元の値と新しい値が履歴の関連リストに追加されます。
しかし、変更されたフェーズの日数を計測することはできません。(目視で確認することになります)
また、設定を行ってから履歴情報が残る為、設定前の履歴は抽出できません。
画像①-2

その他、各フェーズの変更日項目を作成し、プロセスビルダーでルール・アクションを設定。そして、変更までの日数を計測する滞在期間の項目を作成するという方法もあります。
ただ、こちらはカスタム項目をいくつも作成したりプロセスビルダーの設定作業など、少し作成難易度が高いですよね。

そこで、おすすめしたいのが「商談履歴」レポートタイプを使った管理方法です。

商談履歴レポートタイプとは

商談履歴レポートタイプは、事前設定不要で、Salesforceにデフォルトで用意されているレポートタイプです。
「商談フェーズ」「完了予定日」「金額」「確度」が変更された場合に、「最終更新日」「最終更新者」「フェーズ(変更前)」「フェーズ(変更後)」が残ります。

※参考Help記事:商談フェーズ履歴レポート

レポートを作成してみましょう

では実際に設定してみましょう。
※今回は商談のフェーズが [未対応] > [アポ] > [見積] > [検討]・・・ となっていると仮定

  1. 新規レポート作成ボタンをクリックし、レポートタイプ[商談履歴]を選択します
    画像②

  2. 表示を分かりやすくするために[商談名]で行をグループ化します
  3. [フェーズ変更フラグ]と[フェーズ滞在期間]を列に追加します。
    ・フェーズ変更フラグ:フェーズが変更された履歴レコードの場合True
    ・フェーズ滞在期間:商談が各フェーズに留まっていた期間
    画像③-2
  4. 検索条件で、[フェーズ変更フラグ]Trueのみの表示に絞り込みます
    画像④-1
    ※商談履歴レポートタイプは、「商談フェーズ」「完了予定日」「金額」「確度」が変更されても履歴が残ります。
    今回は各フェーズの滞在期間を確認したいので「フェーズ変更フラグ」を挿入し、フェーズ変更されたレコードのみを表示するように設定します。
  1. 列の順序を見やすいように調整し、[保存&実行]をクリックしレポートを保存します。

完成したレポートがこちらです。
画像⑤-1
各フェーズの滞在期間がわかりやすく確認できるようになりました。
例えば、上段のテスト商談①では、「未対応」→「アポ」までかかった期間は17日間で、「アポ」→「見積」までかかった期間は1日ということが分かります。

注意点

商談履歴レポートタイプについて、以下3つの注意点があります。

①「商談フェーズ」「完了予定日」「金額」「確度」以外の項目は表示されない。
その為、上記項目以外の項目を表示したい場合は「商談項目履歴」レポートタイプを使用する必要があります。


②「商談フェーズ」が更新されたタイミングで履歴レコードが作成されるので、フェーズを戻したり・飛ばした場合の履歴レコードの情報
例えば、下記画像のテスト商談②のレコードでは、

・「アポ(フェーズ2)」→「未対応(フェーズ1)」の履歴レコードが1件(戻した場合)
→「アポ(フェーズ2)」→「未対応(フェーズ1)」の履歴レコードが1件作成

・「未対応(フェーズ1)」→「検討(フェーズ3)」の履歴レコードが1件(飛ばした場合)
→「未対応(フェーズ1)」→「検討(フェーズ3)」のレコードが1件作成


※ちなみにフェーズを同日中に変更した場合、フェーズ滞在期間は0日とカウントされます

画像⑥

③フェーズを飛ばした場合、その間のフェーズ滞在期間は抽出されない
こちらも注意点②と関連しますが、例えば、フェーズ2→フェーズ4(滞在期間15日)へ変更した場合、
・フェーズ2→フェーズ4(滞在期間15日)の履歴レコードが1件
作成されます。つまり、フェーズ2→フェーズ3、フェーズ3→フェーズ4のレコードは作成されません。

その為、正確に履歴レコードを生成する場合、入力規則でフェーズを飛ばさないようにするなどの設定が必要となります。
ただし、フェーズの遷移を入力規則で制限しすぎると、非常に使い辛くなることが考えられます。
お客様の運用にあわせて適切な入力規則の設定を行って頂くことをお勧めいたします。

また[フェーズ変更フラグ]は商談履歴レポートタイプ特有の項目となります。
[フェーズ滞在期間]は、通常の商談レポートタイプにも存在しますが、こちらはフェーズが最後に変更された日との差分となりますので、集計する際にはお気を付けください。

 最後に

今回は商談フェーズの滞在期間を簡単に計測する方法についてのご紹介でした。
ぜひ日々の進捗管理や分析にお役立てください。

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