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サーキュラーエコノミーとは?企業にとってのメリットやDXとの関連性を解説

 2023.03.02 サークレイス株式会社

はじめに

近年、これまでの大量消費・大量廃棄につながるリニアエコノミーから、持続可能な発展につながるサーキュラーエコノミーへの転換が求められています。実は「DX(デジタルトランスフォーメーション:デジタル変革)」との関係も深いサーキュラーエコノミーへの転換は、企業にとっても、さまざまなメリットがある取り組みです

そこで今回は、サーキュラーエコノミーの基礎知識・企業にとってのメリット・DXとの関連性について説明していきます。

サーキュラーエコノミーとは

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サーキュラーエコノミーとは、循環型経済を意味します。従来は廃棄していた使用済み製品などを、捨てずに原料として再び利用することで、資源を循環させる経済システムのことです。

ここでは、従来型の経済システムとサーキュラーエコノミーの違いや、政府の提言するサーキュラーエコノミーのビジョンなどといった、基礎知識を確認しておきましょう。

 

リニアエコノミー(直線型経済)との違い

従来型の経済システムであるリニアエコノミー(直線型経済)とは、廃棄を前提とした一方通行の経済活動のあり方のことです。この、廃棄を前提とするか、再利用し捨てないことを前提とするかが、リニアエコノミーとサーキュラーエコノミーの違いと言えるでしょう。

サーキュラーエコノミーとリニアエコノミーとの違い

サーキュラーエコノミー
資源の抽出 ⇒ 製造 ⇒ 消費 ⇒ リサイクル・再利用(= 資源の抽出)⇒ 製造
リニアエコノミー
資源の抽出 ⇒ 製造 ⇒ 消費 ⇒ 廃棄

潜在的な資源をごみとして捨ててしまう前提の「リニアエコノミー」から、ごみを排出せず何度も資源を循環させることを前提としている「サーキュラーエコノミー」への変革が、求められています。

 

経済産業省が提言するサーキュラーエコノミーのビジョン

サーキュラーエコノミーへの転換に向けて、経済産業省が2020年に「循環経済ビジョン2020」を公表し、以下のような具体的方向性を示しています。            

「循環経済ビジョン2020」で示された具体的な方向性

  • 事業活動の継続性や競争力確保の観点から、循環性の高いビジネスモデルへの転換が必
  • 循環性の高いビジネスモデルへの転換をアピールすることが、社会や市場での評価につながる仕組みづくり
  • 資源の循環がスムーズに行える仕組みづくりの支援

SDGsの目標達成への貢献が社会的に求められ、ESG投資も広まりつつある中で、政府の提言は企業にとって追い風と言えるでしょう。

 

サーキュラーエコノミーの3原則

サーキュラーエコノミーの定義としては、エレン・マッカーサー財団が掲げる下記の3原則が代表的です。

サーキュラーエコノミーの3原則

  • 廃棄物や汚染をなくすこと
  • 製品や素材を使い続けること
  • 自然のシステムを再生すること

使用済み製品や使わなかった原料を廃棄しないこと、及び、廃棄を前提としない製品づくりをすることで、環境汚染や資源の枯渇などを防いでいくことが求められています。

また、環境省は環境白書において、サーキュラーエコノミーとは、

  • 資源・製品の価値の最大化
  • 資源消費の最小化
  • 廃棄物の発生防止

などを目的とする経済活動としています。

サーキュラーエコノミーに企業が取り組むメリット

サーキュラーエコノミーに企業が取り組むことの代表的なメリットは、次の3つです。

サーキュラーエコノミーに企業が取り組むメリット

  • 事業活動の持続可能性を高める
  • 企業イメージの向上
  • コストの削減

サーキュラーエコノミーに取り組むことが、企業にとってどのような恩恵をもたらすのか、もう少し詳しく見てみましょう。

 

事業活動の継続性を高める

サーキュラーエコノミーに取り組むことで、事業活動の持続可能性を高めることができます。環境に配慮した企業活動を行うことによって、結果的に事業存続や競争力確保へつながるため、あらゆる産業にとって新たなビジネスチャンスといえるからです。

例えば、資源を再利用して新しい資源の使用量を減らすことで、枯渇により高騰する資源を購入しなくても済むようになります。安定した生産量を確保し、競争性を高めることができるでしょう。

 

企業イメージの向上

サーキュラーエコノミーに取り組むことは、企業イメージの向上にも効果的と言えます。

持続可能な発展につながるサーキュラーエコノミーは、SDGsの観点からも有効だからです。社会や環境に配慮する企業として、顧客や投資家などへの対外的なアピールができるでしょう。

企業のイメージがアップすれば、採用人事の際にも優秀な人材を確保しやすくなり、今後の企業の成長戦略においても有利になります。

 

コストの削減

サーキュラーエコノミーに取り組むことは、コストの削減につながります。

廃棄を前提としないシステムを構築することで、廃棄にかかるコストなどを低減できるからです。資源の無駄をなくすようデジタル技術を導入し、サプライチェーンを最適化することで、サプライチェーン全体のコストを減らすこともできるでしょう。


サーキュラーエコノミーとDXの関係

環境への配慮とデジタル技術は、ともすれば相反するもののようにも捉えられがちです。しかし、実際には、現代の産業システムをサーキュラーエコノミーに転換するうえで、デジタル技術は不可欠と言えます。

DXを推進し、製品の在庫や生産状況などを把握し、高い精度で販売予測をして管理していくことが、廃棄せず資源を再利用するサーキュラーエコノミーを支える基盤となるからです。

 

DXによるサーキュラーエコノミー実現のためのビジネスモデル例

DXによるサーキュラーエコノミー実現のためのビジネスモデル例として、顧客の需要をデータ分析し予測することによる在庫適正化が挙げられます。

これまでに蓄積されたユーザーの購買行動データをAI分析することで、高い精度で需要を予測することが可能です。これに基づき生産ラインを制御することで、余剰在庫を抱えるリスクを抑え、管理にかかる費用なども削減できるでしょう。

まとめ

サーキュラーエコノミーをスムーズに実現するには、DXの推進が欠かせません。デジタル技術を活用することで、資源の無駄を出さない生産・流通の基盤をつくることができるためです。

弊社サークレイスでも、SaaSの開発・運用などを通じてお客様のDXを推進し、サーキュラーエコノミーの実現に貢献することを目指しております。

ただし、サーキュラーエコノミーの実現は社会の持続可能性を高めるための手段であり、目的ではありません。真の目的は、人々が暮らしやすい、より良い社会にすることです。そのためには常に試行錯誤し、走り続けることが必要です。

サークレイスは、今後も社会課題の解決を使命として、現状に満足することなく、必要があれば事業形態すらも変革するアグレッシブな姿勢と柔軟さを大切に邁進してまいります。

サーキュラーエコノミーの実現に向けて一歩踏み出したいとお考えの企業様は、ぜひサークレイスへお気軽にご相談ください。

・サークレイスのDXへの取り組み

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【参考(外部サイト)】

DXでめざす未来:『サーキュラー・エコノミー』の紹介 -前編-|NTTデータ先端技術株式社

循環もDXも「手段」でしかない。本質的な「目的」をしっかりと見極めよ 中石和良|xDX

循環経済ビジョン2020(概要)|経済産業省