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海外駐在員の一時帰国にあたり会社(海外人事)が注意すべきこととは

 2022.11.02 サークレイス株式会社

Back view of businessman at airport with suitcase in hand

海外駐在員が赴任先でも安心して業務に従事できるように、母国への帰国を許可する「一時帰国制度」は多くの企業で採用されています。海外駐在員に寄り添った有意義な制度ではありますが、その一方で会社としては一時帰国者の管理に難渋することも想定されるでしょう。

本記事では、一時帰国制度の基本情報やその必要性、一時帰国制度における注意点を解説します。

海外駐在員の一時帰国とは

business travel silhouettes illustration

海外駐在員が母国へ一時帰国するケースとして想定されるのは、主に以下の3つです。

1. 休暇目的の一時帰国(ホームリーブ)
2. 慶弔目的の一時帰国
3. 業務上の理由による一時帰国(母国への出張など)

「休暇目的の一時帰国」はいわゆるホームリーブのことで、会社規定によって異なりますが、一般的な会社では年に1~2回ほど認められています。
その他のケースでは「慶弔目的の一時帰国」や「出張目的の一時帰国」など、やむを得ない事情、もしくは業務上の理由で帰国することが多いです。

なお一時帰国にかかる費用については、休暇目的・慶弔目的は母国本社の負担(または本人負担)、会社都合の場合は現地法人の負担となることが一般的だといわれています。

海外駐在員の一時帰国制度の必要性

Hand drawing vacation trip around the globe with landmarks and major cities

一時帰国制度は、休暇目的であれば海外駐在員のリフレッシュに繋がりますし、親族に万が一のことがあった際もすぐに渡航できるため、安心感を持って赴任してもらいやすくなります。海外駐在員の健康維持やメンタルケアの観点から見ても、海外駐在規定として定めることが望ましいです。

また規定では一時帰国できる期間や回数だけでなく、航空券の手配や費用負担の所在など、細かく設定しておくと良いでしょう。例えば慶弔目的による一時帰国であれば、何親等までが対象なのかなど、海外駐在員と認識の相違が生まれないように明記する必要があります。

海外駐在員のメンタルヘルスについては下記ページで詳しく解説しています。
海外赴任者のメンタルヘルス

海外駐在員の一時帰国時の注意点

Waiter taking an order wearing a waistcoat in a fancy restaurant

海外駐在員が一時帰国するにあたっては、いくつか注意すべきポイントがあります。

一時帰国期間が1年以上に及ぶと住民税の課税関係が生じる

休暇目的の一時帰国では、数週間程度の滞在が想定されますが、もしも一時帰国期間が1年を超える場合は注意が必要です。日本では滞在期間が1年を経過すると「居住者」とみなされ、住民税の課税関係が生じてしまいます。
新型コロナウイルス感染症による規制をはじめ、予期せず長期的な滞在となってしまうケースも考えられるため、念のため一時帰国前に情報共有しておくと良いでしょう。

一時帰国中に業務をして給与支払いが発生すると源泉徴収対象となる可能性がある

海外赴任を1年以上続けている場合、日本では「非居住者」に該当します。海外赴任中の給与は国外源泉所得となり、基本的に日本では課税されません。
しかし、非居住者が帰国中に勤務し給与が発生した場合は、国内源泉所得となり源泉徴収の対象となります。

海外で契約した携帯(スマホ)は日本で使えない場合が多い

Closeup portrait perplexed young man looking at smart phone seeing bad news or photos with confused emotion on his face isolated on gray wall background. Human reaction,

日本のSIMカードを所持しており使用可能な状態であれば問題ありませんが、海外で契約したスマホを一時帰国中に使用する場合は、モバイルWi-FiのレンタルやSIMカードの購入が必要です。もちろん公共施設のフリーWi-Fiを利用する手段もありますが、電波を受信できる範囲が限られているのでおすすめはできません。

また海外から持ち込んだスマホを日本で使用する場合は、使用に規制がかけられる可能性があるので注意が必要です。日本の技術基準を満たしている「技術基準適合マーク」が付いている機器であれば使用可能ですが、それ以外のものは「入国から90日間の利用」もしくは「使用不可」となる可能性があります。詳しくは「総務省」のWebサイトでアナウンスされているので、事前に社内向けに周知しておくと良いでしょう。

総務省「海外から持ち込まれる携帯電話端末・BWA端末、Wi-Fi端末等の利用」

一時帰国中にやっておいたほうが良いこと

Businessman sitting in yoga position and meditates with doodle concept

海外駐在員のライフスタイルや家族構成によって異なりますが、一時帰国中にやっておくべきことを事前に海外駐在員に周知することで、トラブルや一時帰国頻度の低減につなげることができます。以下の例を参考に、社内での情報共有にお役立てください。

運転免許証の更新

運転免許証の更新日が迫っている場合は、一時帰国したタイミングで更新手続きを行うことが望ましいです。海外赴任中であれば更新期間の前でも特例として手続きすることが可能です。なお、期間前の更新にはパスポートや海外赴任を証明するものが必要になります。

病院での検診

赴任先によっては日本人の医者がおらず、言葉の壁などがネックとなり、思うように通院できない方もいるでしょう。そのため一時帰国期間内で歯科や眼科など、定期的な検診が必要な病院を中心に受診しておくことをおすすめします。

子供の進学先の情報収集

海外駐在員の家族の中に小学生~高校生の子供がいる場合は、海外赴任終了後の子供の進学先について検討する必要があります。志望校が学校説明会や体験入学などを実施している場合は積極的に参加し、情報収集に努めるようすすめましょう。

海外駐在員管理に「AGAVE」の活用を

Business woman typing on keyboard with global system concept

弊社では海外駐在員管理に特化したプラットフォーム「AGAVE」を提供しております。

AGAVEには海外駐在員管理に必要な機能があらかじめ備わっており、人事側で実施するタスク管理はもちろん、海外赴任前・赴任中・帰任時における業務を一元管理できるのが大きな魅力です。一時帰国に関するやり取りもAGAVE上で一本化できるほか、過去の一時帰国の情報も簡単に閲覧できます。

また海外赴任中の経費精算や手当支給などをスムーズにし、コンタクトを取りやすくすることで、海外駐在員に本社と繋がっていることを実感してもらいやすくなる点もメリットの1つです。本社と円滑にコミュニケーションが取れることで、海外駐在員のメンタルヘルスに繋がる効果も期待できます。

海外駐在管理に課題を抱えている企業様や、効率化を図りたい企業様は、ぜひ導入をご検討ください。

 

参考:
 
・コロナ一時帰国の源泉徴収漏れ・申告漏れに注意
https://www.ey.com/ja_jp/ey-japan-tax-library/tax-alerts/2022/tax-alerts-05-31-02

・技適マーク | IT用語辞典 | 大塚商会
https://www.otsuka-shokai.co.jp/words/giteki-mark.html

・総務省 電波利用ホームページ|その他|海外から持ち込まれる携帯電話端末・BWA端末、Wi-Fi端末等の利用
https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/inbound/

・【海外赴任】一時帰国中にやるべきこと・持ち物リスト
https://tyuzai.net/kikoku-todo/

・更新期間前でも免許の更新手続きはできるのですか? | JAF クルマ何でも質問箱
https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-procedure/subcategory-license/faq312
海外人事労務のDXを行うなら、豊富な実績を持つAGAVEで