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新サービスAGORA「最初はほとんど何も決まっていなかった」

 2017.03.03 Pasona Tquila

2017年1月に本格リリースされた、パソナテキーラ(現・サークレイス株式会社)の新サービス「AGORA」。「Salesforceの孤独なシステム管理者」をターゲットに、自社でSalesforceを運用したいシステム管理者の方のためのプラットフォームとして、スタートしました。
 

このサービス企画、開発秘話を、ビジネス企画(谷口:写真右)、システム開発(芳賀:写真左)の二人の立場から語ってもらいました。

2か月でベータ版をリリースするというスピード感

AGORAの成り立ちは、そもそもどんな感じだったのでしょう?

芳賀:もともと裕喜さんから「問い合わせシステムを作る」という話が降りてきたのが始まりです。
お客さんが問い合わせをしたものが、Salesforceのケースに登録され、お客様側からもステータスが確認できる、というものなのですが、これを Ruby on Railsを使って作るという。過去に開発したものをベースにばーっと作ったので3週間くらいで形にしました。

それが現在の企画になるには、どんな経緯があったのでしょう?

芳賀:お客様向けにパソナテキーラのお問い合わせポータルを作りたい話が上がってきて。

谷口:この辺から僕も企画に入ったのですが、SIerという下請けのビジネスではなく、お客様のビジネスパートナーになるには、プラットフォームが必要なのではないかという意図なのだと思います。

芳賀:突貫で何もわからずに作って、2か月でベータ版をリリースして、テストユーザーとしてすでにアドミニストレーターをご利用いただいているお客様に使っていただく、というところまでいきました。

サービス開発とSIは根本的に違うことを痛感

今振り返ると、それはどんな感じのシステムでしたか?

芳賀:もともとSIというものしか経験がなかった自分には、あまりきちんと議論をせずに進めてしまって…。結果として、UXの部分がダメな奇天烈なものができてしまったんです。自社のメンバーにUATで使ってもらって、「使いにくい」と100件くらい指摘があって(苦笑)。技術者本位の進め方をしてしまって、使い勝手を軽視していたと大いに反省しました。

あれ?いつも強気な芳賀さんが反省したんですね(笑)。

芳賀:いや、私は反省するときはしますよ!

谷口 あれ、そうでしったけ?(笑)

芳賀:反省して、社内の製品開発とUXのスペシャリストに話を聞かせてもらったんですよ。そこで自分がやっていたSIの世界と自社サービスの開発は、本当に違うことを理解しました。サービス開発は正解を誰も知らないので、正解をさがすところから始めればいけないというのが一番違うところ。機能に価値があるかどうかをリードする人、UI/UXつまり使い勝手をリードする人、技術的な面をリードする人、この3人が常にディスカッションすることが必要だと痛感しました。

方針を決めては、私が見える形にモックを作ってみんなで動かしてみて意見を出し合う、ということを毎日繰り返していました。

ブラッシュアップのなかでペルソナが固まっていった

ディープな日々ですね。
AGORAの想定ターゲットは「孤独なシステム管理者」ですが、そちらもスムーズに決まったのですか?

谷口:ずっと作ろうとしていたのですが、なかなか固まり切らなくって。「システム管理者」というのは考えていたのですが、そこからがなかなか…。

芳賀:「孤独な」という言葉にたどり着いても、我々は最初そういった人は押し付けられた感はあるのだろうと思っていたんですよ。でも、実際はやりたいことが明確でやる気に溢れる方が多いのだと気づきました。

どうやってそれをブラッシュアップして行ったのですか?

谷口:仮説を決めてゴールを設定したものを、お客様に話してみて、そのフィードバックを反映させていったという感じです。「内製化支援」というキーワードにたどり着いて、それに対して、パソナテキーラ(現・サークレイス株式会社)が何を提供するのか、ということを詰めていくうちに、必要な機能や情報もブラッシュアップされてきました。

内容を詰めていく作業での苦労はなんでしょう?

谷口:芳賀さんのこだわりが強くて、相手の視点に立つことができなくって(笑)。

芳賀:いやいや〜(苦笑)。サービスを作ることとSIで目的が違うので、やっぱり本質が違うので。自分のなかで妄想が膨らんでしまうと、自分が無理をしてでも実現したくなってしまうので、もう大変で(笑)。ビジネス側でコストなどの全体管理はしてもらいました。

Herokuだから、Reviewに時間が取れた

AGORAは、Herokuを使っていますよね?なぜHerokuを選択したのでしょう?

芳賀: Ruby on RailsとHerokuを使ったのは、もともとベースにしたアプリケーションがそれをベースに作ったものだったからです。Herokuはインフラ初心者でもある程度運用ができるように設計されたPaaSで、そしてRailsは、これは自分の持論なんですけど、慣れた人が最大の生産性を発揮できるように設計された開発フレームワークだと思います。この2つを組み合わせれば、プロトタイプまでの開発がとても早くできるんです。AGORAは大規模な分析を行うような複雑なシステムではありませんが、一方、使い勝手とかコンセプトとかをとても重視しています。スピーディに作ってReviewの時間を多く設けたかったので、RailsとHerokuが適していたと考えています。Railsでの開発は初めてでしたが、知っている人に教えてもらいながら、書きながら身体で思えたという感じです。

AGORAの夢はあるのでしょうか?

谷口 :サービスの幅と深さをまだまだ追求していきたいですね。もともと、「サービスを作る」ことが最初の目的ではありましたが、これが世の中に受け入れられて売れるものになったら嬉しいと思っています。

パソナテキーラ(現・サークレイス株式会社)といったら、やはり認定アドミニストレーターがいることがうちの強み。僕はパソナに入社して、今までいろいろな事業開発を行ってきましたが、やはり「社会的に大義名分がある」仕事がしたいというのがベースにあります。

今、AGORAチームはリモートでのサポートや、コンテンツ作成など、やることがあって大変なんですけど、いろいろな経験を積んでもらいたいと思っていて。

キャリアチェンジを求めてうちに入社された方々に、チャンスを増やしてもらえたらなあと思っています。どこまで僕がこれを伝えられているかはわからないのですけれど…。

芳賀:自分はSalesforceが大好きなので、柔軟に変更できて自社でも管理にチャレンジできるというメリットを理解して、ふんだんに使って欲しくって。うちの得意分野である人材と組み合わせて、そのためのプラットフォームにしていけたらなあと思ってます。

 AGORAは4月より、また新しい局面を迎えます。
今後の展開をお楽しみに。

(本記事は 2017年時点で執筆されたものです。)

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