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エキスパートに聞くシニアコンサルタント 浦岡大朗

 2016.05.28 Pasona Tquila

Salesforceのビジネス活用の秘訣は、業務に適したUXの設計にある 

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シニアコンサルタント 浦岡大朗

業務アプリケーションであっても、ユーザーが使いやすい画面デザインにする必要があると確信していました。私自身、昔から使う人の利便性や操作性を無視して、入力項目がたくさんある画面設計を要求してくるエンジニアには疑問に感じていて、業務アプリケーションであっても、ユーザーが使いやすい画面デザインにする必要があると確信していました。その思いを社内で訴えているうちに、前職でもアプリケーションのフロントエンドを開発する機会が多くなり、ユーザーエクスペリエンスが自分の仕事の大きなテーマになってきました。Salesforceの活用には、ユーザーが本当に使いやすい画面であることが成否の鍵となります。つまりユーザーエクスペリエンスの向上こそがビジネスを推進する原動力であり、そのためのユーザーが操作するWebブラウザの画面設計やコーディングを行っています。実際によくあるSalesforceのUI開発では、画面を開発するためのSalesforceが提供するフレームワークを用いていますが、我々のチームではできるだけ特定のサービスなどに依存しない開発環境を採用しています。また、スマートフォン向けのフロントエンドも開発しています。こちらも、やはりSalesforceのフレームワークに限定せず、より使いやすいデザインを心がけています。

時にはユーザーが普段使っているツールに似せることも重要

極端な例ですが、SalesforceにExcelのようなユーザーインタフェースをWebフロントエンドとして実装したことがあります。もともと、お客様はExcelを業務で活用されていたので、Salesforceを導入した現場では、以前の業務と操作面で変わらないことを望まれていました。そこで、Salesforceの画面にExcelの機能に似せたセルを表形式で操作できるようにしたのです。

また、別の事例ではiPhoneのカレンダーと同じような機能をWebフロントエンドで設計し、Salesforceの予定をカレンダー風の画面で利用できるようにしました。こちらも、電車などで移動している現場の担当者が、iPhoneで使い慣れたカレンダーの画面でSalesforceの予定をチェックしたい、という要望に応えたものでした。

さらに、アンケートの回答画面を作成したこともあります。この事例では、あるプロモーションの一環として、Salesforceのプラットフォームでアンケートを収集し、それをスタッフが集計したり分析する予定でした。しかし、Salesforceの標準的なフロントエンドの開発環境では、一般の消費者がアンケートの回答を入力したくなるような画面デザインにはできなかったのです。そこで、使いやすいWebフロントエンドを設計し、アンケートの回答率の向上を図りました。

今は、自分自身よりもチーム全体のスキルアップに貢献していきたい

この会社に来る前に、自分のキャリアを考える際に、自分自身の技術力を高めるためにより優れたエンジニアに囲まれて刺激を受ける開発企業にするのか、自分の知識や経験で周りのエンジニアを引っ張ってチームビルディングに貢献していくか、という2つの選択肢を考え、結局、後者であるこの会社を選びました。

エンジニアリングのように難しい知識や技術は、簡単に教えてはいけないと思うのです。コーチングの場面では、若手のエンジニアに手取り足取り教えるのではなく、自らが問題を分析し解決できるようなスキルを身につけてもらうために、あえてなるべく難しく教えています。エンジニアリングのように難しい知識や技術は、簡単に教えてはいけないと思うのです。もし簡単に説明してしまうと、相手がそんなに難しくないのでは、と勘違いしてしまいますから。

難しいことは難しいと教えることによって、ちょっとずつでも確実に習得していけるものだと考えています。そうやって、実力のあるエンジニアを数多く育てることが、今の自分の大きな目標です。