導入事例
日本軽金属株式会社 様
ご利用サービス:
AGAVE 海外給与計算
海外給与計算の手間と属人化を解決!
煩雑なExcel管理を解消し工数を50%削減した効率化事例

日本軽金属株式会社
事業内容 | アルミナ、水酸化アルミニウム、各種化学品、アルミ地金・合金、アルミ板製品、電子材料などの製造・販売 |
URL | https://www.nikkeikin.co.jp/ |
「日軽金」の愛称で知られる日本軽金属様は、アルミ総合メーカーとして幅広い業界にアルミニウム加工製品を提供する国内有数の企業です。1939年の設立以来、自動車、建築、輸送、食品等、多様な分野へ素材となるアルミニウム加工製品や化学品を供給しています。
導入前の課題
- Excelで60名分の個別ファイルを手作業で管理しており、手入力によるデータミスのリスクがあるほか、更新作業には1ファイルあたり約1時間の作業時間が発生
- PDFファイルに個別パスワードを設定し送付する必要があり、加えて確認作業としてダブルチェックも必要となるため負荷が増大
- 出向元の会社ごとに異なる給与体系への対応や、住宅手当などの個別条件に基づく管理が必要
成果・効果
- 年次の更新作業やメール通知作業の自動化により、工数が半減し、業務効率が大幅に向上
- システム内での一元管理やセキュアな情報共有を実現し、さらに変更履歴を記録することで透明性の高い管理を実現
- 計算式のロックにより安定性が確保されるほか、分かりやすい計算式表示によってエラーの発見を容易化。また、グループ会社ごとに承認ルートを分割するなど、柔軟な運用が可能に
海外に複数の製造拠点を持つ日本軽金属様では、国内グループ会社からの出向者を含む60名の海外駐在員の給与計算を個別のExcelファイルで管理していました。しかし、2023年にサークレイスの海外人事特化型サービス「AGAVE」を導入。さらに2024年に海外給与計算機能のリリースに伴い、いち早くその導入を決定しました。これにより、業務効率の向上とよりセキュアな情報管理を実現しています。
今回は、AGAVE導入および海外給与計算機能の実装に至るまでの経緯やその効果、今後の展開について、人事部の児玉 奈々美様と斉藤 沙希様にお話を伺いしました。

日本軽金属株式会社
人事部 課長 児玉奈々美様

日本軽金属株式会社
人事部 斉藤沙希 様
導入の背景
非効率なExcelでの管理を代替できなかった
貴社およびグループ内における海外の拠点数や従業員数を教えてください。
児玉様(以下、児玉):
日本軽金属グループは、国内外で約80社あり、そのうち私たちが担当している海外駐在員は約60名です。駐在員が多いのはタイ、アメリカ、中国などの拠点で、合計8か国に14拠点を展開しています。ここ数年、海外の従業員数は横ばいの状態が続いていますが、経営戦略として海外での売上をさらに伸ばしたいと考えています。海外で生産し、海外で販売をするという基本方針のもと、今後はさらに拠点や従業員数が増加することも予想されます。
斉藤様(以下、斉藤):
当社グループでは、社員を海外法人に派遣する場合、一度日本軽金属に出向させた後で赴任させるという形態を多く採用しています。グループ各社における駐在員派遣数はさほど多くないものの、手続きや管理タスクが非常に煩雑であるため、各社で個別に対応するのではなく当社が一元管理することで効率化を図る方針をとっています。ただし、出向元によって給与テーブルや一部手当の有無が異なるため、従業員ごとに個別対応が必要となっていました。
従来、海外従業員の給与管理はどのように行っていたのでしょうか。
児玉:
個別のExcelファイルで給与計算を管理していました。特に大きな課題だったのは、給与改定に伴う給与テーブルの更新作業です。まず、外部から国ごとの生計費指数の最新データを購入します。また個人の定期昇給後の給与情報をグループ各社から回収し、その情報を個別のExcelシートに反映、海外赴任者としての報酬を計算する必要がありました。1年のうちに、最低でも全員分の更新作業を1回行う必要があり、60名分の対応に1人あたり約1時間を要していました。さらに、配偶者の任地帯同や子どもの出生・独立など、家族構成の変化があった場合は、年度内に複数回の更新が必要になるケースもあります。
斉藤:
正確な情報を入力するために、出向元における給与情報、赴任先の給与情報、役職、扶養家族の人数、ハードシップ手当の金額などを1項目ずつ確認していました。ミスは許されないため、人事担当者間でのダブルチェックも対応していました。。一方で、細かなルールをすべて把握することは困難で、対応できるスタッフも限られていたため、精神的な負担も大きかったです。
また、各人の給与改訂結果は、ExcelからPDFに変換し、パスワードを設定した上で個別にメール送信していました。単純作業ではありますが時間を要しており、給与支給に合わせるため期限もあり、担当者の負担となっていました。
これまでExcel管理に代わる方法を模索したことはありませんでしたか。
斉藤:
業務アウトソーシングの提案は何度かありましたが、結局踏み切れず実現しませんでした。複数の出向元会社が関係する複雑な体制であり、どうしても社内で抱え込む形となり、なんとかマンパワーで対応していたというのが実情です。
児玉:
駐在員から問い合わせがあった際に迅速に対応するには、社内で管理する方が適切だと考えていました。また、委託先に依存しすぎることで、回答が遅れるリスクを懸念していました。
当社では2023年からAGAVEを導入していますが、これは海外人事の労務管理業務の生産性を向上させたいという目的があったためです。その時点で、将来的に海外給与計算が可能になる構想を聞いていましたので、せっかく導入したAGAVEをフルに活用するためにも、一日も早い実装を心待ちにしていた、というのが本音です。
選定のポイント
海外給与計算機能を待望していたため、すぐに導入を決断
簡単にAGAVE導入までの経緯もお聞かせいただけますか。
児玉:
導入の半年前に展示会でAGAVEを知り、「海外労務を一元管理できる」という触れ込みに非常に魅力を感じました。導入時には、まず人事業務の作業量や工数をすべてExcelで洗い出し、AGAVEを導入することでどの業務が効率化できるかを一覧表にまとめました。こうした客観的な見通しを基に社内の稟議を通しました。
初期導入の際は、グループ会社別の承認ルートを設計する作業が煩雑でしたが、この基盤を整えたことで、給与計算機能の追加導入は非常にスムーズに進みました。従来のExcelでの給与計算に課題を感じていた中で、待望の機能が登場したため、迷う理由はありませんでした。すでにAGAVEの導入効果を実感していたこともあり、給与計算機能の追加は自然な流れだったと思います。
斉藤:
AGAVEの導入により、駐在員の労務管理業務がシステム化され、これまでメールでやり取りしていた書類提出や承認手続きがすべてシステム上で完結するようになりました。定期面談で駐在員の声をヒアリングした際も、業務効率化を歓迎する意見が多く、導入前に試算した以上の効果が得られていると感じています。
ただ、給与計算まで効率化できると聞いた際は、従来の煩雑な個別作業が頭に浮かび、本当にスムーズに実現できるのか不安な気持ちも正直ありました。
導入効果
新規の赴任者が集中した時期にも柔軟に対応できた
貴社内ではどのようなアクションをとられたのでしょうか?
斉藤:
給与計算機能の追加に向けた当社での作業はほとんどありませんでした。従来使用していたExcelシートをサークレイスにお渡しし、初期設定のサポートを受けたことで、想像以上にスムーズに進みました。最も重要な計算の正確性も担保されており、新しいシステムとは言っても、BS(バランスシートアプローチ方式による当社の海外派遣者報酬シート)の見た目が従来通りだったため、構造も理解しやすかったです。
児玉:
給与計算機能がリリースされた直後で、サークレイス側でも設定作業がほぼ初めてのケースだったと聞いていますが、親身に対応していただきました。また海外給与計算に関する豊富なノウハウが蓄積されていると感じられ、大変頼もしく思いました。
導入後の成果を感じたことをお聞かせください。
斉藤:
期待通り、年次の給与改定作業の負荷が大幅に減少しました。以前は60名分の更新に1人あたり約1時間を要し、遅れが許されないプレッシャーもありましたが、今年はその作業時間を半分程度に削減できました。移行期間中でバックアップとしてExcelも作成していた工数を含んでの結果です。非常にスムーズに更新作業を進められたため、次年度以降はさらに時間を短縮できると期待しています。また、通知がシステム内で自動化されたことで、通知を個別にメールで送る作業からも解放されました。。
児玉:
システム化により、属人的だった業務が標準化された点が大きいと感じています。最近、北米の新会社設立に伴い一度に5名の新規赴任者が発生しましたが、混乱なく対応できたのはAGAVEのおかげです。以前のように赴任手続きをExcelで個別管理し、手続きの遅れに応じて個別にリマインドメールをするといった必要がなくなり、タスクの対応履歴がタイムリーかつ正確に記録されるようになったことで、より迅速かつ効率的な対応が可能になりました。
斉藤:
システムの操作や表示についても好印象を持っています。過去の書類もシステム上で体系的に管理、蓄積されるようになったうえ、目的の書類を探す際も整理された見やすい表示が非常に効果的で操作も容易です。駐在員にとっても、かなりの手間を省ける仕様になっています。今後もシステムの理解を深め、操作に慣れながら、より良い運用方法を模索していきたいです。
児玉:
海外給与計算には、各社独自のルールが多く、当初はその複雑さからシステム化は難しいのではと考えていました。しかし、AGAVE海外給与計算では、従来のExcelの計算ロジックを活かしつつ、属人化のリスクも解消できたため、すぐに導入を決断できました。専用システムをスクラッチで開発するほどではないが、Excel管理には限界を感じている企業にとって、AGAVEのようなクラウドサービスは十分検討に値する選択肢だと思います。