導入事例
株式会社 INPEX 様
ご利用プロダクト:
海外駐在員管理クラウド「AGAVE」
メールとExcel中心の申請業務を「AGAVE」で効率化
データの一元管理やプロセスの標準化で業務品質が大幅に向上
株式会社 INPEX
事業内容 | エネルギー開発事業 |
URL | https://www.inpex.co.jp/ |
日本最大のエネルギー開発企業。2021年4月に「株式会社INPEX」に社名を変更、2022年2月に「長期戦略と中期経営計画(INPEX Vision @2022)」を策定。国内外における石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・操業事業に加えて、水素・アンモニア事業、既存事業の低炭素化、再生可能エネルギー、カーボンリサイクル・新分野事業、森林保全事業などの分野に積極的に取り組んでおり、グループ拠点は、オーストラリア、アブダビなど十数か国に及ぶ。
導入前の課題
- 駐在員の情報に関し、類似する情報を含め複数部署が分散して管理していたため、データの一元化を必要としていた
- 管理者・駐在員双方の視点から、海外赴任・帰任に関する各種申請や手続きの進捗状況把握、ToDo管理に苦労し、リアルタイム性にも欠けていた
- メールとExcel中心の業務で作業が煩雑になっていたため、情報共有や更新漏れによりデータの信頼性に欠けていた
導入後の効果
- AGAVE上で情報の一元化ができ、関係者全員が同一の最新で正確なデータを閲覧できるようになり業務の質が向上した
- 各種申請や手続きに関してAGAVE上の簡易な作業で行うことができ、タイムリーな進捗把握とToDo管理によって、業務の漏れがなくなり作業効率がアップした
- プロジェクト管理機能で、プロセスの見える化、業務の標準化も進んだ
導入の背景
メール中心の管理ではデータマネジメントに不安
導入スピード、コストの観点から「AGAVE」を導入
INPEXは、日本及び世界のエネルギー需要に応え、多様なエネルギーを安定的かつ効率的に供給するために、世界約20か国で様々な事業を展開している。当然、現地で働く駐在員が多数在籍しているが、駐在員一人一人の各種管理の多くを日本本社が担っている。駐在員の赴任・帰任も多く、人事部門の業務は多忙を極めていた。
赴任や帰任手続き、駐在先での各種申請はメールが基本であり、駐在員プロファイルデータなどはExcelで管理されていた。メールによる申請では関係者を固定しづらく、加えて、捺印された書類をスキャンしPDFにして返信するなどの手間も発生する。駐在員のプロファイルデータも、各拠点独自に管理されており、その方法は統一されておらず、更新頻度もまばらで信頼性に欠けていた。
人事部の担当者は「メールやPDFでは、データマネジメントの観点からも問題でした。過去のデータを参照しようにも散在している状況だったのです」と振り返る。
こうした課題を解決すべく、インターネット検索などでいくつかの海外駐在員向け人事ソリューションを探しだし、資料を請求したり関連イベントに参加するなど情報収集を行った。比較検討を進めるなかで選ばれたのがAGAVEであり、同社の情報システム部も同様の判断を下して導入が決定した。ちなみに、代案としてERPに手を加えて実装する手法も考えたが、開発費が高額になることや導入まで期間が長くなることが想定されるため見送られた。
導入のポイント
データ項目や業務プロセスの整理が重要
自社のやり方をAGAVEに適応させ最大限に利用
クラウドサービスを使うなら、「そのサービスの仕組みに業務を合わせられないか検討していくのが効果的」というのが担当者の考えだった。「自社の業務やプロセスに合わない部分があったとしても、自社のやり方をシステムに寄せる形で調整し対応しようと考えました」と話す。
導入を進めていくときに重要になるのが、AGAVEにこれまでのデータを取り込む前に、データの洗い出しと整理することだ。同社では、「本当に必要なデータは何か」「データ形式を統一する」といった作業を、海外駐在員管理に携わるメンバーの全員が関与して丁寧に実施していった。
「データの整理に2か月程度要しましたが、この作業をしっかりとやることが、稼働後に利用者や管理側の使い勝手に大きく影響してきます」と、担当者もその重要性を強調する。
導入の効果
申請プロセスや、プロジェクトの進捗を見える化
業務の標準化で、引継ぎもスムーズに
AGAVE導入によって、申請に関わる業務が効率化され、業務の標準化も進んでいった。人事担当者は、メールの送受信、申請書のプリント、捺印、回覧、PDF化といった作業が、AGAVE上の簡単な操作で行えるようになった。承認担当者も、何を承認する必要があるかが一目でわかるため、承認作業の停滞も減り、スピードアップした。加えて、申請者のプロファイルも連携しているので、申請者の情報を参照しながら申請内容・申請理由を確認することが簡単にできる。
業務プロセスの見える化により、業務そのものへの理解も進み、異動の際の引き継ぎもスムーズになる。新たに配属された担当者であっても、過去の経緯や次に何をすべきかなどを知ることができるからだ。
同社では、申請業務以外に、プロジェクト管理機能を使って、赴任に際して発生するさまざまな手続きのToDo管理も行っている。どんな作業をいつまでにやらなければならいのか、現在どこまで進んでいるのかといったことを、人事部門と赴任する社員が共有し、やり残していることがないかを把握できる。
申請業務やプロジェクト管理をAGAVEに移行しデータを一元管理することで、「正しい1つのデータ」を関係者全員が参照できるようになった。これによって、情報を探したり回覧したりするための時間の無駄が減り、古いデータを参照する、転記による間違いといった単純なミスもなくなる。業務の質そのものが向上するわけだ。
今後の展望
「正確なデータを全員が共有する」ことで、
業務品質のさらなる向上を目指す
AGAVEを実際に利用し始めてからも、利用者から操作などに関する問い合わせはほとんどない。
「問い合わせがないということは、利用者がストレスなく使えていて、定着がスムーズに進んでいるということの証だと思います」と、担当者は話す。
また、AGAVEの今後の活用について担当者は、「導入済みの申請機能やプロジェクト管理機能は、今後も引き続き使っていきたいと思います。機能の改善や拡張を図ることができるのがクラウドサービスのよいところですから、こんな機能がほしいという要望を伝えていきたいと思います」と、サークレイスに期待を寄せる。同社では、今後も海外駐在員の管理に関してはAGAVEを軸に考えていくとしており、今回の導入に大きな成果を感じているようだ。
「DXが叫ばれる中、ツールの導入には効率化や工程数削減、費用対効果を問われるケースが多いかと思います。AGAVEの導入により、もちろんそれらを実現できましたが、最大の成果の一つとして忘れてはならないこととして業務品質が向上したことが挙げられます。本来あるべき姿である『正確なデータを全員が共有して業務を行う』ということが可能になりました」と、AGAVE導入の意義を語ってくれた。