導入事例
株式会社ジェイック 様
ご利用サービス:Salesforceコンサルティング、開発・導入支援
キャリアアドバイザーによるマッチングと同等以上の成果を達成
~AIマッチングで実現した採用業務の効率化~

株式会社ジェイック
事業内容 | 新卒・中途の採用支援、就職・転職支援、企業向け社員研修、リーダー育成プログラムなどの提供 |
URL | https://www.jaic-g.com/ |
株式会社ジェイックは、就職支援、採用支援、社員教育を事業の柱とし、企業の人材に関する課題を総合的に解決するサービスを提供。「可能性を羽ばたかせる」をミッションに、人材や企業がまだ気づいていないポテンシャルを引き出すことで、顧客や社会への貢献を目指しております。近年は、新卒紹介事業が特に大きく成長しており、求職者数・求人数ともに年々増加傾向にあります。
課題・背景
- 「新卒紹介事業」が成長していたが、労働集約型のため成長の持続に限界があり、CA(キャリアアドバイザー)一人あたりの採用率を大幅に向上させる必要があった
- そのためにはAIなどのIT技術で採用業務を支援する方針だったが、利用中のSalesforceはカスタマイズが多く標準の追加機能を利用しづらかった
- エンジニアが社内におらず、CRM AnalyticsなどのIT技術の導入が困難だった
成果・効果
- CRM Analyticsを導入し、AIを活用した自動マッチング機能の実装し、業務効率の大幅な改善を実現
- 独自カスタマイズと標準機能のバランスがとれたシステム環境を構築し、将来的な拡張性を確保
- AI学習の正確性のためのデータ構造把握の重要性を認識し、タイトなスケジュールの中でもプロジェクトを円滑に進行しCRM Analyticsの導入
ジェイック様では、Salesforce導入からすでに15年以上が経過し、独自のカスタマイズを重ねてきました。今回、特に成長著しい新卒紹介事業において、マッチング業務の効率化が課題となる中、AIによる自動マッチング機能の実装に向けては、Salesforeの開発が必要となり自社内の対応では困難として、パートナー選びに着手。複雑化した環境を理解したうえで最適なソリューションを提案したサークレイスをお選びいただきました。スムーズな実装を実現し、早速人材紹介の業務改善および効率化において成果をあげています。
導入までのプロセスやサークレイスとのコミュニケーションについて、担当の大橋様にお話を伺いました。
導入の背景
長年のSalesforce活用による効果と影響
貴社の事業概要を教えていただけますか。

大橋様:弊社の事業の軸は、教育と採用の2つです。教育事業では、学校で勉強するような内容とは異なり、物事の考え方やプロセス設計などを体系的に研修事業として提供し、社会人の方々にノウハウとして提供しています。ここで培った強みを活かして、採用支援という面でも、求職者が入社するより前にビジネススキルや仕事のノウハウを研修し、その後顧客企業にご紹介するなど、特殊なビジネスを展開してきました。従来は、中小企業のお客様をメインの対象にしていましたが、最近は新卒紹介サービスやアライアンスを通じて大手企業の顧客も増えてきており、サービス展開の過渡期にあると考えています。
Salesforce導入の経緯や、これまでどのように活用してきたかをお聞かせください。
大橋様:Salesforceの導入は、15〜16年前だったと聞いています。現在のようにSFAやCRMが普及する前だったので、かなり早い時期の導入でした。当初は単独の事業部が顧客管理の目的で使い始めましたが、まもなく全社に展開され、長くSalesforceを基盤として活用しています。
Salesforceの強みでもあるカスタマイズ性を活かし、標準の使い方からカスタマイズをオリジナルで作りこんだ状態で導入から使い始めていました。Salesforceの標準的な使い方である「取引先」と「取引先責任者」の構造に対して、弊社は独自の変更を加えました。企業だけでなく、求職者の管理も行いたかったため、初期設計と異なるオブジェクトを追加したのです。その結果、標準機能がアップデートされても、その活用や拡張が難しくなっていました。
その後は長くどのように運用していたのでしょうか。
大橋様:独自のカスタマイズが進み、当初の開発に関わった担当者が退職し、システムだけが取り残されたような状態でした。社内にはエンジニアが不在のため、変更のすべてをアドミニストレーターのレベルで対応していました。ただ、数年前に、Salesforce Lightningへの移行のために、外部パートナーの紹介をいただいたことがあります。直接、今回の依頼とは関係していませんが、それがサークレイスさんとのご縁の始まりでした。
しかし、その後も既存のシステム環境の限界を感じる場面は何度かありました。これまで培ってきた弊社独自のカスタマイズにはノウハウが詰まっていて価値を感じているものの、Salesforceの新機能や拡張性を活かしきれていないというジレンマを抱えていました。
導入のポイント
社内に専門エンジニアが不在の中で挑むシステムの改善
特に課題として感じられていたことを教えていただけますか。
大橋様:新卒紹介事業における求職者と企業のマッチングのプロセスです。従来は、求職者に対してふさわしいと思われる企業をピックアップする過程において、弊社社員の経験や勘に頼る部分が大きく、データを活用した効率的なマッチングができていませんでした。事業成長に伴って、求職者数と求人数が増えるにつれて、この課題はより顕著になっていたのです。SalesforceのCRM Analyticsを活用したマッチングの自動化が実現できれば、業務効率化の観点からも魅力的だと感じました。
サークレイスを選んでいただいた決め手をお聞かせいただけますでしょうか。
大橋様:開発者がいない弊社の環境で、要望をまとめてスピーディに提案していただいたことが最大の決め手です。こちらがテキストや図表でまとめる前の段階でお話ししたにもかかわらず、ゴールを正確に捉えていただき、道筋を示していただけたのが非常に心強かったです。
人材紹介専門のツールを含めて複数社を候補にあげましたが、やはり私たちとしてはSalesforceにデータベースを一元化したかったのです。しかもサークレイスさんは、これまでの弊社がカスタマイズしたシステムを否定するのではなく、どうやったら活かせるかという視点でアプローチしてくれました。「使い勝手が悪いから本流に戻すべき」というアプローチが多い中で、弊社なりに築いてきた資産を活かしてくれる姿勢そのものに共感しました。
実装までスムーズに進みましたか?
大橋様:導入のプロセスでは、やはり弊社独自のカスタマイズ環境を調査していただくこと、そしてデータの整理が大きなハードルとなりました。当然予想していたことではあるものの、サークレイスさんの負担は大きかったのではないかと思います。
AIは与えられたデータを基に学習するので、誤った学習をさせると、見当違いの答えを出してしまうことにつながりかねません。そんなリスクについてもしっかりご説明いただき、どのオブジェクトがどのように構成され、どういうデータを保持しているかを正確に把握することが非常に重要だということを私たちも強く認識しました。
サークレイスのサポートに対するご評価をお願いいたします。
大橋様:安心感があったという一言に尽きます。先ほど、お話しした環境調査のためにさまざまな資料の提出を求められましたが、弊社もその工程に時間とコストがかかることは理解していたので、お互いが効率的に進められるように相互協力できたのではないかと思います。
その要因の一つに、ご担当者のレスポンスが早くて正確だったというのは大きかったです。プロジェクトがタイトなスケジュールの中でスムーズに進んでいたのは、サークレイスさんの対応のおかげに他なりません。
導入の効果
AIマッチングで実現した紹介業務の効率化
実際の成果についてお聞きします。どのように業務が変わりましたか。
大橋様:従来の業務プロセスでは、CAが担当している学生さんの情報をもとに、社内のコミュニケーションツール上で、企業担当者に「こういう学生さんにマッチするよい企業はありませんか?」と投げかけ、返信があった後に初めてマッチングが組まれるという流れでした。その中で、マッチした場合にどの企業をおすすめするのがよいかをCAの判断に委ねられる点に難しさを感じていました。さらに、マッチングの記録をSalesforce上に記録するため入力するプロセスも発生していました。たった1件の紹介マッチングに多くの社員の手がかかり、問い合わせから紹介までに日をまたいでしまうケースもありました。
これが現在は、Salesforce内ですでにデータが入っている状態で自動的にスコアリングが行われるため、上位のスコアをもとにマッチングを組み立てることができます。これにより、企業担当者に投げかける時間や調整の手間が大幅に削減されました。
就職が決まるという「ゴール」につながる事例も出始めているのでしょうか。
大橋様:導入から約3カ月半の時点で、15名ほどの内定承諾という結果につながっています。これらは、就職イベントに参加しても選考が進まなかった学生さんや、十分な母集団形成ができなかった企業様に対して行われた、AIスコアリングによって生まれたマッチングであるため、従来の方法では見落としていた可能性が高く、大きな意味のあるものだったと考えています。
実際の内定につながったケースを確認すると「まさかこの学生さんの条件で、この企業とマッチするとは想像できなかった」と社員が振り返ることもあるほどです。人間にはどうしても先入観がありますが、データに基づく客観的な判断により、新たな可能性が開かれました。
来年度は年間を通して運用できるため、一気に10倍となる150名程度まで目標を引き上げようと考えています。
メッセージ
Salesforeの活用に向けて
Salesforceの活用で課題を感じている方にメッセージがあればお願いいたします。

大橋様:今回「開発が必要だから自社ではできない」と諦めてしまいがちな課題も、適切なパートナーと組むことで解決できることがわかりました。エンジニアがいない弊社でも、社内で対応できる範囲と、パートナーに依頼する部分を切り分けることで、最適な環境構築に一歩近づくことができました。
長く使用しているシステムは、拡張性が失われやすいものの、企業独自の思いや価値が詰まっていることも確かだと思います。安易にリプレイス、リセットするのではなく、これまでの資産を活かしながら最適化する視点が重要だと感じています。Salesforceで扱う重要なデータにこそ、業務改善のヒントが眠っているはずです。データに基づいた客観的な判断こそが、効率化への大きな一歩になると考えています。