導入事例
エムシーヒューマネッツ株式会社 様
ご利用プロダクト:
海外人事労務に特化したクラウドサービス「AGAVE」
グループ12社、112拠点、駐在員300名超の情報管理を「AGAVE」で効率化
問い合わせが大幅に減少し、本来業務に取り組む時間が生まれた

エムシーヒューマネッツ株式会社
事業内容 | 三菱ケミカル株式会社およびそのグループ企業の人事オペレーションを受託するシェアード企業 |
URL | https://www.mchumanets.co.jp/ |
三菱ケミカル株式会社のグループ企業であり、同グループ企業の給与計算等の給与厚生事業・人事オペレーション関連業務、海外駐在員の処遇に関する規則の改定アドバイザリー、および海外人事支援業務を受託している
写真左:エムシーヒューマネッツ株式会社 人事運営センター 海外支援グループ グループマネジャー 岡部信義 様
写真中:エムシーヒューマネッツ株式会社 人事運営センター 海外支援グループ チームリーダー 澁江陽子 様
写真右:サークレイス株式会社 DX本部 Sales部 マネージャー 渡邉奨吾 ※お客様所属は2022年10月取材当時のもの
導入前の課題
- 駐在員関連の情報を複数のExcelファイルで管理していたため、検索性が悪く、リアルタイムでの更新も困難であった
- 駐在員からの申請書はメールでのやり取りで行っていた為、確認作業が煩雑で、処理の進捗管理も困難であった
- 給与改定の個人別の通知など、個人情報に関する重要なやり取りをメールで行っており、誤送信がないよう細心の注意を払って、ひとりずつに送信する作業の負荷が大きかった
導入後の効果
- AGAVEで駐在員関連の情報を一元化したことで検索性が向上し、更新も容易となったことで、有事に備えた駐在員の最新連絡先の正確性が向上した
- 申請・承認プロセスをワークフローで整理したことで、駐在員からの申請の処理状況が可視化され、申請漏れや問い合わせの数が大きく減少した
- 各人別の給与改定通知は、CSVで一括してAGAVEにアップロードすれば、各人が閲覧できる状態となったため、個人別にメールを送付する工数を削減できた
“導入のハードルが低いクラウド型で、機能面もUI(ユーザーインターフェイス)も当社のニーズに合致していたのがAGAVEでした ”


エムシーヒューマネッツ株式会社
人事運営センター 海外支援グループ 岡部 信義 様

導入の背景
駐在員管理を担当する社員の
時間外労働の削減と、潜在的リスクの回避
三菱ケミカルは、国内最大手の総合化学メーカーであり、その海外人事支援業務や給与厚生業務を担当するのが、エムシーヒューマネッツ株式会社である。同社は当時、グループ会社を含む12社、112拠点(*)、300名を超える駐在員とその家族が、安全に海外勤務ができるよう支援していたが、駐在員管理に関するいくつかの課題に起因する担当者の時間外労働の多さと、潜在的リスクに悩まされていた。
それは「情報管理の課題」「コミュニケーションの課題」「リスク対応」である。
情報管理については、一部の海外現地法人に赴任した駐在員については、セキュリティの仕様上本社のポータルにアクセスできず、駐在員はポータル上で共有された情報や、ワークフローを利用することが困難であった。また、駐在員の最新の住所や帯同している家族の情報なども複数のExcelファイルに分散しており、検索が困難であった。
コミュニケーションについては、駐在員との連絡手段がメールであったことの弊害が挙げられる。駐在員からのさまざまな申請書は、メール添付で数多くの案件と一緒に送付されるため、申請書をピックアップして処理する工数が負担であった。また、12社、112拠点を管理しているため、例えば、アメリカ拠点の特定のグループ会社に属する管理職クラスの社員にのみメール送信が必要な際には、属性を絞り込んだ上で確実に送信をするというような作業が必要であった。
リスク対応については、「大切なのが有事に備えて、駐在員の赴任地での住所や緊急連絡先などの情報を常にアップデートしておくことですが、これが決して簡単なことではありませんでした」と岡部氏は当時を振り返る。赴任・帰任時の手続きの進捗も、駐在員および同社担当者の双方から把握しにくく、そのため事業部の求めるタイムラインでの赴・帰任をスムーズに実行できないケースもあった。また、給与改定の通知も、各駐在員にメールで送信されていたが、メールによる送信は情報漏えいのリスクを伴っていた。
このような「情報管理」「コミュニケーション」「リスク対応」それぞれの課題をまとめて解決ができるソリューション探しが始まった。
選定のポイント
すぐに導入・運用できるクラウド型で
機能面もUI(ユーザーインターフェイス)もニーズに合致した
同社は多忙を極めていたため、重視したのはすぐに導入できるスピード感と、すぐに使える導入のハードルの低さであり、それが可能なのはクラウド型しかないと考えた。
AGAVEを含め3、4社のサービスが検討のテーブルに上がったが、導入の決め手を岡部氏は次のように振り返る。「クラウド型で検索しヒットしたソリューションを片っ端から検討しました。その中でもAGAVEはクラウド型に加えて、機能面とUIの部分で優れていると感じました」
機能面で注目したのは給与明細の個別通知や、赴任・帰任時に行う手続きをタスク管理できる点だ。またメールのやり取りで苦労していた申請・承認手続きについても、AGAVEならワークフローを細かく権限設定できる点も同社のニーズに合致した。
「UIのわかりやすさも気に入ったポイントだ」と岡部氏は言う。「当社社員も現地駐在員も忙しい中で新たなシステムに習熟するのは大変であるため、マニュアル無しで直感的に操作できそうな画面のわかりやすさも決め手の一つでした」
導入効果
AGAVEで課題はほぼクリア
本来の業務に取り組む時間を得られた
同社がAGAVEを導入し約1年が経過したが、効果は着実に表れている。
本社ポータルにアクセスできない駐在員も、AGAVEによって全世界のどこからでも本社が提供する規程資料やマニュアルを確認することができるようになった。また、赴・帰任のプロセスについて駐在員本人および同社担当者がいつでも進捗状況を確認することができるため、「駐在員本人が次に何をすればよいのか、そのデッドラインがいつなのかがすぐにわかり、問い合わせが減少した」との声があがっている。
さらに、導入前は給与改定通知をメールで各駐在員に送信していたが、現在はAGAVEの一括送付機能によってCSVデータのアップロードでほぼ完了し、駐在員側はAGAVE 上で自身の通知を閲覧できる。このように、「コミュニケーションの課題」は見事に解決されたのである。
では「情報管理の課題」はどうだろうか。AGAVEでは駐在員本人が最新のプロファイル情報を直接入力できる。以前はさまざまなファイルに分散していたこれらの情報がAGAVEに集約され、駐在員側・同社側の双方から最新情報を確認でき、「情報管理」のみならず「リスクの課題」もクリアした。
また、AGAVEは「情報の正確性の向上」と「情報確認の手間の大幅な軽減」も実現した。AGAVEの申請・承認ワークフローによって、処理の進捗状況の可視化が可能になったため、情報管理が大幅に効率化され、以前あった手続きの漏れもなくなった。
AGAVEの導入によって、業務の大幅な効率化に成功した同社では、社員の時間外労働時間も減少している。各自の能力が上がってきた影響もあり、以前よりも一層ワークライフバランスが整っている。岡部氏は「問い合わせ対応に割いていた時間を大きく効率化できたため、業務改善施策に有効に時間を使えるようになった点が大きい」と述べている。
現在、同社では組織の改編が進められており、新たな業務が生まれているが、AGAVEの導入によって、新規の業務に取り組む時間を得ることができているのだ。
今後の展望
オペレーションの効率化にとどまらず
一歩踏み込んだ海外人事労務に
「今後は海外から日本の関係会社に出向してくるインバウンド駐在員のための環境もAGAVEで整えていきたい」と岡部氏は語る。さらには、「現地法人の人事担当者も巻き込み、一気通貫で精度の高い管理をしていきたい」という構想もあるそうだ。
AGAVE導入により同社では多くのデータを一元管理できるようになっている。一般には、グループ会社12社300名を超える駐在員という数は、管理するにはかなり多い方だ。同社でも、駐在員の任期の管理や、出向元事業部別の駐在員の割り出しなどは、現時点ではまだ手作業で行っている部分が多いという。今後はAGAVEによって、このような複雑なデータ抽出作業などを始めていくのに加え、集約したデータを活用し、 さまざまな分析にも応用していきたいという考えだ。
「このような話をできるようになったのもAGAVEを導入したことによる価値の一つ。ただ問い合わせに追われていると、こういう発想にはたどり着かなかったと思います」と岡部氏は言う。
単なるオペレーションの効率化ではなく、一歩踏み込んだ海外人事労務ができるのがAGAVEの真価の一つだと言えるのだろう。