導入事例
東亜電気工業株式会社 様
ご利用サービス:
AGAVE 海外給与計算
海外給与業務の作業工数を50%削減!
Excel管理からの脱却により属人化の解消と生産性の向上を実現

東亜電気工業株式会社
事業内容 | エレクトロニクス部品・機器の製造販売、受託開発・製造、オリジナル製品の企画・販売 |
URL | https://www.toadenki.co.jp/ |
東亜電気工業様は、1947年の創業以来、国内外の製造業を支えてきたエレクトロニクス専門商社です。海外にも拠点や工場を展開し、近年では商社機能にとどまらず受託開発・製造や自社ブランド製品にも注力し、「ものづくり企業」としての進化を続けています。
写真右:東亜電気工業株式会社 管理本部 人事部 部長 荻慎五 様
写真左:東亜電気工業株式会社 管理本部 人事部 人事課 課長 中西貴也 様
写真中:東亜電気工業株式会社 管理本部 人事部 人事課 風見悠太 様
導入前の課題
- 海外出向者ごとの異なる税制・手当をExcelで手作業管理しており、計算や送付業務が一部の担当者に集中
- 給与明細の個別送信時にパスワード設定や送信先確認などが必要で、常に取り違えのリスクが介在
- 支給日や為替補填など国ごとに各々対応が必要なため、毎月の作業が煩雑化しており、マニュアル化や引き継ぎが困難
成果・効果
- 拠点ごとの給与計算やメール通知作業を自動化でき、作業負荷が約1/2に軽減
- 業務ルールを統一しシステムに組み込んだことで、他担当者への引き継ぎも可能になり、人的リスクが減少
- 従業員の明細閲覧・計算根拠などの確認が容易になり、現地からの問い合わせへスムーズな対応が可能に
エレクトロニクスの専門商社としてグローバルに事業を展開する東亜電気工業様では、海外に出向する社員の給与計算業務が長らく属人化しており、Excelでの煩雑な作業やヒューマンエラーのリスクが大きな課題となっていました。特に、中国をはじめとする現地の税制対応や為替補填の計算といった複雑な業務が、担当者の負担を増大させていました。
こうした状況を打開すべく、2024年にサークレイスの海外人事・給与管理サービス「AGAVE」を導入し、大幅な業務効率の向上と人的リスクの軽減を実現しました。今回は、AGAVE導入に至るまでの経緯やその効果、今後の展望について、人事部の中西貴也様、風見悠太様にお話を伺いました。

東亜電気工業株式会社
管理部 人事部 人事課 課長 中西 貴也 様

東亜電気工業株式会社
管理本部 人事部 人事課 風見悠太 様
導入の背景
海外15拠点に社員が出向しグローバルなビジネスを展開
貴社およびグループ内における海外の拠点数や従業員数を教えてください。
中西様(以下、中西):
当社の海外拠点は15拠点あり、中国、台湾、タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポール、アメリカ、ドイツの8つの国と地域に展開しています。各拠点に1〜2名3名ずつ、現地法人への出向という位置づけで人員を配置しており、全体では約20名です。人員としては横ばいですが、年々海外事業の重要性は増しており、今後さらに出向社員数は増えることが見込まれています。
基本的には営業系の職種が中心で、国内営業で経験を積んだ社員が現地のマネジメントを担う形が多いのですが、近年、海外志向の強い者は、若手でも海外へ赴任するケースも増えてきています。
従来、海外出向者の給与管理はどのように行っていたのでしょうか。
風見様(以下、風見):
これまではすべてExcelで管理し、国ごとに異なる税制や手当ルール、さらには為替の影響などを加味しながら、毎月個別に給与計算を行っていました。そのため、資料作成から送付までの作業が多くなり、毎月の業務として大きな負担となっていました。特に中国は省ごとに社会保険制度までもが異なるため、現地からの情報をもとに逐一内容を修正する必要があり、非常に煩雑でした。
加えて、給与制度自体も複雑だったため業務フローを理解するのが難しく、特定の人しか対応できない、という体制が長く続いていました。
中西:
さらに古くは、国内における手取り額と同等にするために必要な補填額を算出する按分計算を、手作業で行っていた時代もありました。私がその業務を担当していたときは、先輩から計算方法を手書きの紙で教わり、それをExcelに置き換えた記憶があります。給与制度自体が複雑だったこともあり、特定の人しか対応できない、という体制が長く続いていました。
課題
Excel管理による属人化リスクと業務負荷は大きな課題だった
Excel管理は、業務の煩雑化および属人化の他にどんな課題がありましたか?
風見:
最も懸念していたのは、ヒューマンエラーのリスクです。給与明細の送付時には、毎回PDFに変換してパスワードを設定し、個別にメールで送るというフローでしたが、ファイルの取り違えやパスワードの貼り間違いなどといった、ミスがいつ起こってもおかしくない状況でした。実際トラブルになった事例はありませんでしたが、常に間違えてはならないプレッシャーと隣り合わせで、確認作業にはとても神経を使っていました。
中西:
情報共有がしづらく、海外給与に関わる業務が風見一人に集中してしまっていることも課題でした。特に、過去の明細を再確認したいという問い合わせに対応する際、資料のありかを確認して再送するだけでも手間が生じますが、社内でも限られた人しか状況を把握していないため、ちょっとした問い合わせに対しても風見が一手に引き受けて、対応せざるを得ない状態が続いていました。
複雑な個別の事情を引き継ぐのが難しいため、もしも風見が不在になったときには代替手段がありません。そこに危機感も感じていました。
選定のポイント
明瞭な操作性を評価して導入を決断
AGAVE導入までの経緯もお聞かせいただけますか。
中西:
私は普段からHR系メディアなどで情報収集をする習慣があり、受け取ったメルマガにAGAVEの情報がありました。海外出向者の給与管理を効率化できる手段が乏しかったため、いずれ当社でも必要になるかもしれないと思い、サークレイスのメルマガを購読していたのです。
その後、部内で先ほどお話しした海外給与業務の煩雑さや属人化への課題意識が高まり、改善に向けた動きが加速していきました。
風見:
私は10年ほど海外給与を担当してきましたが、煩雑な業務をすべてExcelで処理するのには限界を感じていました。毎月発生する手当の調整や明細の作成、メールでのやり取りなど、常に何らかの作業に追われている状態でした。
そんな中、AGAVEのユーザー会の様子の動画を見せていただき、実際に給与業務をシステム化するイメージをもてたことで、導入の意志が強くなっていきました。
中西:
導入しようと決め手になったのは、海外給与というニッチな領域に特化している点と、Excelのような操作感でありながら、計算ロジックや明細の構造が視覚的にわかりやすく、属人化を防ぐ設計となっていた点です。
ユーザー会を通じて、さまざまな企業の現状や導入事例を知ることができました。当社では比較的シンプルな給与制度を採用しているため、スムーズな移行が可能だと感じ、大きな安心感につながりました。属人化している業務負荷を軽減したいという人事部としての願いもあり、導入を決定しました。
導入効果
作業負荷が半減し精神的余裕と戦略を練る余力が生まれた
導入に向けて貴社内ではどのような準備が必要でしたか?
風見:
これまで使用していたExcelシートやルールをサークレイスに共有し、初期設定をお願いしたのみで、社内で大がかりな準備を行ったわけではありません。当社の複雑な補填計算や手当の条件も、丁寧に整理しながら一緒に構築していただき、大変助かりました。こちらの業務の実態を深く理解したうえで対応してくださったことにより、高い信頼を持って導入を進めることができました。
さらに、Web会議には毎回適切な担当者が参加し、質問にもその場で対応していただける体制が整っていました。必要に応じて複数名の方が同席されることもあり、スムーズなやり取りができてとても心強かったです。対象となる従業員が20名程度と、当社は小規模な顧客にあたるかと思いますが、それでも万全の体制で、丁寧かつ時間をかけてご対応いただけたことに感謝しています。
中西:
導入プロジェクトでは、作業の進捗が見えづらくストレスを感じることがよくあるのですが、サークレイスではプロジェクト管理ツールで進捗状態がわかりやすく可視化されていたので、安心して進行を見守っていました。
導入による成果をお聞かせください。
風見:
業務負荷の軽減効果を最も強く実感しています。従来は月の前半と後半に分けて各国の給与計算を行っていました。計算業務、送信、問い合わせへの対応と、ほぼ毎日、海外給与のタスクに追われている感覚でした。それがシステムによる一元管理により、運用が格段に楽になりました。
たとえば中国では、国の方針で特定の会社のサービスが使用制限されており、Gmailが使えませんが、AGAVEには今のところそうした心配がないです。これまでは地域ごとの制約に合わせることで、余計な個別対応が生じていましたが、システムで一括配信できるようになって、誤送信などのリスクからも解放されました。作業時間は、従来のおよそ半分にまで減り、精神的な余裕も感じられるようになっています。
また、海外出向者が自身の手で明細や計算根拠の確認をしやすくなり、問い合わせのやりとりがよりスムーズになったことで、私たちバックオフィスと各地にいるスタッフとの間にも信頼関係が生まれていると感じています。
中西:
今回、AGAVEの導入により業務フローが標準化され、引き継ぎ可能な仕組みとして定着したことは大きな成果です。また、風見自身の負担が減ったことで、今後は彼にもっと戦略的な業務にも取り組んでもらえるようになると期待しています。本人にとっても、今回のシステム導入プロジェクトが、大きなキャリアの財産になったと思います。
どんな企業にAGAVEの導入をおすすめしていただけますか。
風見:
当社のように海外の対象者の人数が多くなくても、十分に検討する価値があると思います。それは、AGAVEにはシステムの柔軟性があり、またサポートが手厚いために、小規模でもフィットする可能性が高いと思うからです。我々と同じようにExcel管理に限界を感じていたら、対象人数が少ないことを理由に導入を諦めるのではなく、ぜひ前向きに検討してほしいと思います。
中西:
当社では現在、給与計算および給与明細の配信にAGAVEを活用していますが、今後はさらに他部門との連携や海外拠点との情報共有など、より広範な人事労務領域への展開も視野に入れています。AGAVEのAI機能活用などを見据え、戦略的DXパートナーとして、サークレイスとの協業に更なる成果を期待しています。