Agave
2023.01.05
2019年10月29日、海外人事業務の管理プラットフォーム「AGAVE」のユーザーイベント「AGAVE User Meetup #2」を開催しました。
本イベントは、企業の垣根を超えて、海外人事業務の課題の共有の場を設けたいという意図で昨年から開催しており、AGAVEをご利用いただいている企業、および導入を検討されている企業の海外人事業務ご担当者の方々を対象にお集まりいただいています。
2回目の東京開催となる当日はあいにくの雨となりましたが、22社29名のお客様にご参加いただきました。
本イベントは、パソナテキーラ 根津による挨拶の後、「最新ITトレンドとDX(Digital Transformation)について」と題したセッションでスタートしました。
株式会社パソナテキーラ コンサルティング事業統括 根津 正文 |
続いてのセッションでは、パソナテキーラ 佐藤より、煩雑な海外人事業務を一元管理するクラウドサービス「AGAVE」の今後2019年冬から2020年夏にかけてリリースされる新機能についてご紹介しました。
株式会社パソナテキーラ 第二事業部 SaaS Development 佐藤 真輝郎 |
3つ目のセッションでは、海外人事領域における戦略と体制づくりについて、株式会社パソナ 射水和香子様よりお話しいただきました。
株式会社パソナ グローバル事業本部 射水 和香子 様 |
海外人事領域における戦略は、企業の事業拡大や収益増を目指す「攻め」、主にリスク回避・コスト抑制などに関する「守り」、そして日々の実務を回す土台となる「運営」の3階層に分けられます。それぞれの階層ごとに課題は異なるものの、人事担当者は概ね「守り」と「運営」に関する業務が中心になるのではないか、ということでした。
しかしながら、人事担当者が担当する業務範囲は広く、特に様々な国に事業を展開している企業では「守り」の領域が後手に回っているケースは多く見られます。そもそも「運営」に関する業務ボリュームがかなり多く、人的リソースが不足するなかで、目先の実務に追われ、業務効率化が遅れがちな企業も多いとのことです。
パソナのBPOサービスはこの「運営」部分をお手伝いするとのこと。具体的には、経営精算承認、支払い明細書作成・配信、所得申告用データのとりまとめ、精算結果と領収書の突合、精算済みデータの加工など、実際に手を動かさなければならないところをパソナのBPOサービスがお手伝いすることで、人事担当者は全体の管理や、より視野の広い体制づくりにシフトできると説明されていました。
最後のセッションでは、AGAVEやBPOサービスを利用して、海外人事業務の効率化を実践中の企業様による事例紹介と公開インタビュー(パネルディスカッション)を行いました。
パネリストとして日本発条株式会社 武田康男様 (以下、「武田様」)、サトーホールディングス株式会社 高橋麻子様(以下、「高橋様」)、ファシリテーターとして株式会社パソナ 西本 浩様(以下、「西本様」)にご登壇いただきました。
日本発条株式会社 企画管理本部 人事部 武田 康男 様 |
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サトーホールディングス株式会社 人財開発部 高橋 麻子様 |
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株式会社パソナ グローバル事業本部 西本 浩 様 |
以下、質疑応答形式でご紹介します。
「当時は、管理職1名を含めた5名で担当していましたが、導入前の8年間で海外駐在員が倍増し、すべての業務をこの体制で回すことに限界を感じていました」(武田様)
「15年以上、ひとりのスタッフが業務をすべて担当していたのですが、海外駐在員の人数増加とともに“抜け漏れ”が出ていました。また、完全に業務が属人化し、知らない間に例外対応が当たり前になっていたこともあり、標準化・平準化が必要な状況でした。赴任者にかかる負担軽減のためにも、アウトソースを検討することになりました」(高橋様)
「リリースから間もない頃だったこともあり、実はあまりいい印象はなかったのですが、当時はメールとExcelで管理していたため、その状況からは確実に進歩できると感じました。導入後は、申請や承認もすべてAGAVEでできるようになり、駐在員からも好評でした」(武田様)
「私は昨年初めて拝見し、シンプルでいいなと思いました。他社製品は、あまりにも細かく作りこまれていて、説明しないと使えないものもありましたが、AGAVEは見ればすぐに使い方が分かります。柔軟性が高い点も評価していました」(高橋様)
「駐在員の経費精算業務です。医療費や旅費の精算などは証票が必要で、現地の社員とのやり取りに時間と手間がかかります。BPOサービスにお任せでき、本当に助かっています」(武田様)
「弊社も同じです。今回業務をアウトソースするのとあわせ、海外勤務者の規定を改定し、経費の承認代行をお願いしています。これまで例外だらけだった運用も改善できました」(高橋様)
「システム導入をいい機会ととらえ、海外駐在員管理業務全体のフローを見直しました。最終的には、業務フローを1/2程度にまとめ、シンプル化しました。システム導入の前に、業務の流れや申請書、承認フローまで含めて見直すことをお勧めします」(武田様)
「業務フローの見直しは、パソナテキーラさんにかなりサポートしていただき、システム導入をセットで効率よく進められました。今は、シンプルな業務フローに落ち着き、ローカルルールはほぼありません」(高橋様)
「ここ数年で最も気を遣っているのが駐在員の安全です。テロなどが増えており、駐在員の安全を守るための情報をどのように提供するのがベストかを模索しています。最近は海外出張者も増えているため、出張者に対しても同様の情報提供できればと考えています。AGAVEとBPOサービスで負担が減ったからこそ、こういった取り組みも進められるようになりました」(武田様)
「BPOサービスを稟議であげた際に、『業務を丸投げして、他人事になるのでは』と言われたのですが、決してそんなことはなく、家族のケアやローカルHRとの連携など、これまでやれていなかったことができるようになりました。コミュニケーションの質もあがり、海外の人事戦略などこれまで手を付けられなかったことに時間を割いていきたいと思います」(高橋様)
インタビュー中には、会場からの質問も多数寄せられ、時間が許す範囲で回答いただきましたが、実際の経験にもとづくお話は、参考になる点も多かったのではないでしょうか。
公開インタビュー終了後は、参加者同士の交流のためにカジュアルな懇親会が行われました。
海外人事担当者で集まるような機会が数少ないのか、多くの参加者がそのまま残って、会話を楽しまれている様子がうかがえました。懇親会終了時間まで、普段ではなかなか接点のない同業他社の方と積極的に情報交換されているのが印象的でした。
海外人事業務に関わる課題の共有や、参加者の皆さまの交流・情報交換を目的にした今回のイベントですが、今回も大いに盛り上がりました。
今回のイベントにご参加された方々が、今後の海外人事業務に少しでも役立てていただけたのであれば幸いです。また、このブログをご覧になった皆様も、次の機会には是非ご参加ください。