「顧客課題を解決できるエンジニア・コンサルタント」へ。 4ヶ月の新卒研修で一番伸びたのは、AI時代に活きる主体性だった

 2026.11.04 Masumi

こんにちは!人材開発担当のMasumiです。

Education部や社内トレーナーを擁するサークレイスでは、研修や教育に力を入れており、IT業界未経験からでも挑戦できる環境があります。

26新卒研修ではAIを前提とした時代に「Salesforceを扱える」だけではなく、そこを通過点としてさらに先を目指せる育成体制へと、大きく変化を遂げました。

目指したのは、研修を通じて「技術の提供はもちろん、お客様を理解し、真の課題を捉え、解決までもっていけるエンジニア・コンサルタント」の土台を築くこと。

正確な知識を届けるEducation部の認定トレーニングを皮切りに、受講後には、Customer Success部(CS部)のトレーナーによる実践的な演習を実施。実際に手を動かしながら、学んだ知識を現場で「使える」スキルへと高めました。 そして育成計画の全体を設計し、社会人の基礎やマインドセットを育てる人材開発チームの研修。それぞれの専門性を持ち寄ったからこそ、入社後4ヶ月という期間で、知識習得・実践力・マインドセットが一本につながった育成プログラムが実現しました。

今回は、AI時代に新しく必要なスキルや考え方まで、この育成体制の構築や研修に携わった3名に、研修の内容や成果、そしてその裏側を伺いました。

資格取得や技術習得だけが、ゴールではない

── 26新卒研修では、何を目指したのでしょうか。

坂口: 一番のポイントは、顧客の課題解決ができるエンジニア・コンサルタントを育てることです。

近年、FDE(Forward Deployed Engineer)という職種が注目されています。お客様の現場に入り、課題を踏まえて解決までを担うエンジニアのことです。AIが急速に広がる中で、言われたことを実装するだけの「作業者」ではなく、お客様を理解し、課題を捉え、テクノロジーで解決できる人材が求められている。だからこそ、そこをゴールに置き、育成の四つの柱を掲げました。

── 四つの柱とは、具体的には?

坂口: 次の四つです。

SalesforceやITの知識を理解すること
ビジネスパーソンとしてのマインドセット
顧客の課題を解決するためのコミュニケーション力
時間・タスク・メンタルの管理まで含むセルフマネジメント

個別にスキルを身に付けて終わりではなく、組み合わせることで、配属後に一人前のエンジニア・コンサルタントとしてお客様と対峙できるようになることを目的にしました。
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坂口 佳美(人事労務部 人材開発チーム) 2018年入社。未経験からお客様先でSalesforceの保守・運用を担当し、その後SVへ。部内教育のチームを経て、現在は人事として新卒研修の企画・運営を担当。

── 具体的に、入社後どのような新卒研修プログラムを展開したのか全体像を教えてください。

坂口: まず入社後、最初の1ヶ月目である4月は「土台をつくる」段階です。会社理解、社会人として働く上でのルール、法務、情報セキュリティー、ビジネスマナーなどに加え、Education部の認定講師によるSalesforceの認定トレーニングを、入社後の2週目というかなり早い段階で実施したのが、大きな変更点です。Salesforce認定講師による正確な知識を土台に、1ヶ月後に予定した試験までの間、暗記に頼らず理解につながる、より実践的な演習を十分に行いたいと考えたためです。

5月は「SalesforceとITの基礎を固める」段階で、Agentforceについての追加研修や、認定試験合格に向けての準備と受験。6月は「顧客と仕事をするために必要な力」を身に付ける段階で、社会人としてのマインドセットや主体性を発揮するとはどういうことか。また、失敗を受け止める力の強化といった研修も行いました。新しい研修としては、チームやプロジェクトの中で役割を分担し、ヒアリングした内容をまとめて発表する経験を積むことを目的にした「事業部インタビュー」。並行して、Salesforceのフロー演習にも取り組みました。7月は事業部門への配属を前に、「学んだことを統合する」段階で、Salesforce導入プロジェクトを想定した演習や最終発表へと続きます。

社会人やITの基礎を知る → 身に付ける → 人・お客様と仕事をする視点を持つ → 実践する。
この順番を意図してつくりました。

「理解する」とは何か。認定講師が問い続けた「なぜ」

── Salesforce認定講師の西脇さんが、教えるうえで大切にしていることは。

西脇:「なぜその技術を使ったのか」「これを作ったときに、お客様は何がうれしいのか」を聞くこと。そして、説明してもらうことを大切にしています。

というのも、「理解する」とは何なのか、あまり明確に定義されていないと感じていて、多くの方は概要を説明するだけで止まってしまうからです。でも実際は、その機能が何のためにあるのかという背景があり、それを分かったうえで、どんな場面で、どう活用できるのかまで説明できて、初めて「理解」と言えるのではと思います。

もちろん、新卒社員は3月まで学生だったので、そもそも「なぜ」という疑問にすら至らない。だからこそ、その疑問に気付かせてあげるのが講師の役目の一つなのです。

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西脇 杜直(AI & Data Innovation本部 Education部 マネージャー) 2024年入社。前職はJavaのアプリケーションエンジニア。「人に教える仕事がしたい」と講師未経験で入社し、Salesforce認定講師として開発系の研修を中心に担当。

篠崎: 私が演習パートで新卒の皆さんに問いかけると、大体は何かしらの答えが返ってきます。そこへ西脇さんが「なぜ?」と突っ込んでくれたのが、本当にいいなと思いました。それがないと型通りの答えで終わってしまうので、この問いかけにより、一段深い思考を行う癖をつけることを意識づけられたと思います。

西脇: 理解する最初の取っ掛かりは「なぜ」を意識すること。答えられなければさらに分解して、「こういう部分だけ考えてみたら」と聞く。回数を重ねると、個人差はありつつも、だんだん自分から「なぜ」と考え出せるようになっていきます。

── これからAIが進化するほど、「なぜ」を考える力が効いてきそうです。

西脇:間違いなく求められる力です。どれだけAIが発達しても、作ったシステムがどう動いているか分かっていないと、AIに頼りようがないですし。そもそも、なぜそのシステムが必要なのかを考えられるのは、人間だけかなと思います。

そのうえで、これからAIを前提とした時代になるので、AIの仕組みも理解していくことが大事です。

── 26新卒研修からAgentforce(Salesforceが提供する次世代の自律型AIエージェントプラットフォーム)も取り入れました。

西脇:きっかけはSalesforce社の認定試験の範囲に急遽入ってきたことでしたが、Salesforceを学んで現場に入ったら、いきなりAgentforceを使わざるを得ない状況もあるんじゃないかと。研修では一つの機能を具体例として扱いつつ、汎用的に考えられるよう、仕組みの部分を伝えることを意識しました。

坂口: Salesforce社もAgentforceに力を入れ、導入企業も増えています。当社としても、まずは今回、新卒社員に先んじて学んでもらい、その手応えを今後、社内への展開にも生かしていきたいと考えています。AI領域では外部講師による生成AI研修も実施しました。学生時代からAIを使い慣れている世代なので、使い方以上に、会社員としてAIを使ううえで気を付ける点、リスクやガバナンスを重点的に扱っています。

「分かる」を「できる」に。演習と伴走が、学びを自分の力に変える

── 篠崎さんは、講義を受けた新卒社員を演習で引き受ける立場として研修に入りました。

篠崎: はい。今はAIに聞けば大体のことが実現できてしまうからこそ、フロー演習では、あえてAIに頼ることを禁止し、演習では自分の頭で考えることを意識してもらいました。

そして必ずお願いしたのが、「お客様にお話しするつもりで説明してください」ということです。最初はみんな戸惑っていましたが、2個目、3個目くらいの課題から徐々に慣れてきて、前提から順を追って話すことや、相手の理解を確認しながら説明することなど、「ちゃんと相手に伝わる話し方を意識できるようになってきたな」と感じるようになりました。次第に細かい指示はなくても、お客様のことを考えて「こうしたら便利そうだな」という工夫を組み込んでくる様子も見て取れ、成長を感じました。

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篠崎 正博(AI & Data Innovation本部 Customer Success部) 2012年入社。前職ではLSIの組み込みプログラムなどを開発。オンサイト勤務を経て、未経験入社の社員への技術教育を担う役割で社内へ。以来一貫して、教育の現場に立ち続けている。

── なぜ、そこまで「お客様に説明する」ことを重視されたのでしょうか。

篠崎: CS部で仕事をしていると、お客様に「これを作ってほしい」と言われたものを、そのまま作ることが正解ではないと分かります。例えば、お客様は「今までExcelでこうしていたからSalesforceでも同じように」と、そのまま要求として依頼してこられる。それを鵜呑みにすると、Salesforceにする意味がなかったり、かえって使いにくくなってしまったりするんです。

だからこそ、その要求の核は何なのか。Salesforceに移行するなら、どうした方が後々効いてくるのか。そこを考えないといけないわけです。

坂口: プログラミングもSalesforceの設定も、AIに聞けば答えてくれます。でもそれが、お客様の課題を一番良い方法で解決する手段とは限らない。奥にある真のニーズまで把握する必要があります。コミュニケーション力があれば、課題も真のニーズもしっかり拾えますし、提案もうまくいく。だからこそ、研修の柱の一つにコミュニケーションを置いています。

── 研修中に印象に残っていることがあれば教えてください。

篠崎: 試験対策の研修期間に、私は別の研修で1週間ほど離れていたんです。その間は西脇さんが見てくださっていて。1週間ぶりに行ったら、今までふわふわしていたのが、すっごく腰が落ち着いていたんですよ。「西脇さん、何をしたんですか?」と聞いたくらい、強烈な印象でした。

西脇: やったのは、勉強のやり方を伝えることと、アウトプットさせることの二つです。「何を勉強しようかな」と悩む前に「まずはこれを」と一つ提示した方が、スムーズに始められるんじゃないかと考えました。そして、学んだことを自分の言葉で発信させる。言葉にすれば疑問点も出てきますし、新卒社員同士で学び合える状態になるといいなと思って、グループでアウトプットしてもらいました。実際、そのあと何も言わずに様子を見ていると、自然に教え合いが始まって、全体のレベルの底上げにもつながったと思います。

坂口: 認定トレーニングだけだと、知識を詰め込まれた状態でパンクしてしまうところがあるんです。そこをお二人がフォローして「なぜ?」と返してくれる。点と点だった知識がつながって、深く理解できるようになったと感じています。IT未経験者を柔軟に受け入れて育てる土壌がもともとサークレイスにはあるので、今回の研修は人事部門と教育部門、現場という複数部署が協力して、さらにうまく機能したのだと思います。

4ヶ月で一番伸びたのは、「主体性」だった

── 今回の研修を通じて、新卒社員が一番成長したと感じるところはどこですか。

西脇: 主体性が育ったな、と感じています。研修中に「この機能はこういう特殊な動きをするんですよね」と伝えて止めていると、「なぜ、そもそもそんな特殊な動きになるんですか」と聞いてくるようになった。研修後も、最初は「資格を取ることすら大変です」と言っていたのに、「次はこの上位資格を取ろうと思っているんです」と言ってくるようになった。しかも、勉強の仕方について、新卒社員自身からアドバイスを求めてくる。受け身ではなく、自分から先輩や講師に聞きに行く。その姿勢は成長だと思います。画像7-Oct-16-2026-02-18-26-6229-AM篠崎: 4月の入社したての頃は「カリキュラムがあって、自分たちはそれを受ける立場」という意識が出ていたと思います。主体性が芽生えてきたなと感じたのは、5月・6月ぐらい。最後の方には、もう自分たちで動いている、という感じになっていました。

あと、「Salesforceの機能について、AIは当てになりませんよね」と言ってきた新卒社員がいたんです。AIは何でも答えてくれるし肯定的なので、そのまま信じてしまうことが懸念される。それが、自分で学んでいくうちに「この答え、違うよね」と気付けるようになってきた。AIに慣れている今の世代にそれを悟らせるのは難しいので、そこに気付いてくれたのは、大きな成長でした。

画像8-Oct-16-2026-02-20-02-4267-AM西脇: その発言をするには、自分自身で検証しないと生まれないと思うんですよね。だからこその成長なんじゃないかなと。

坂口: 一番に絞るのは難しいのですが、あえて挙げるなら、私もお二人と同じで主体性・自主性です。入社時は人前で話すことが苦手な新卒社員もいました。それが後半になるにつれて、「何か質問がある人?」と聞くと、みんなが手を挙げてくれるようになった。資格についても西脇さんも仰ったように、新卒社員から「次はこの資格を取りたいんです」と積極的な申し出があったり、主体性を発揮できるようになったと感じました。画像9-Oct-16-2026-02-20-44-9492-AMまた、セルフマネジメントの面でも、生活習慣の改善や10分前行動の徹底で、時間管理がしっかりできるようになりました。現場に配属されてから困難や逆境に直面したときに、しなやかに立ち直り、適応する力であるレジリエンスもまずは座学で学びました。

ビジネスコミュニケーション研修では、例年は事業部長に講義形式で説明してもらっていた組織・サービス理解の研修を、今年はインタビュー形式に変更しています。新卒が各事業部に話を聞きに行き、自分たちで取材した内容をまとめて発表する。毎週の朝礼での1分間スピーチの実施も含め、提案力の土台につながるヒアリング力や発表力を育てられたかなと思います。

これからの時代の変化を楽しめる人材へ

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── 新卒社員はこれから、どんな人材に育ってほしいですか。

西脇: 成長し続けられる人になってほしいと思っています。現場に出ると、いろいろ任せられる部分が増えていく一方で、高度な部分を分かっていないと成果を発揮しづらい世の中になっていくのかなと。自分に必要なことを、自分自身で学び続けられる。そういう人に育ってほしいです。

篠崎: 私がキャリア入社の方にもよく言っているのは、「Salesforceを教わる前の自分を忘れないでほしい」ということです。技術のことが分かってくると、説明がどうしても分かっている人寄りになってしまう。でも、お客様はそうじゃないことも多い。だから新卒社員も「Salesforceを学んでいない頃の自分に、今の説明で分かる?」と確認するなどして、初心を忘れないでほしいと思います。もちろん、技術的にはどんどん成長してほしいので、マインド面で意識してほしいことです。

坂口: IT業界は変化がとても大きくて、次から次へと新しい技術が出てきます。その変化を楽しめる人材になってほしいなと思います。

私自身も、たった4ヶ月間で、人はこんなに成長できるのかとすごく実感して感動しました。配属後の現在の彼らも、期待以上の活躍をしてくれています。言われたことをやるだけではなく「お客様が忙しそうなので、自分で考えて自動化の仕組みを作りました」と話す新卒社員もいるくらいで、それぞれが価値を発揮してくれていることを、誇りに思っています。

サークレイスは、未経験からでも一人前に育つ土壌がある会社です。そして、変化と挑戦を楽しめる方と一緒に働きたいと思っています。少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひ採用ページものぞいてみてください。皆さんとお会いできる日を楽しみにしています!