導入事例
日本精工株式会社 様
ご利用サービス:
AGAVE 海外給与計算
計算ミス・誤配信の発生ゼロを実現!
改修不能な旧システムから脱却し、給与改定通知の業務時間を92%削減
日本精工株式会社
| 事業内容 |
ベアリング、自動車部品、精機製品等の製造・販売 |
| URL | https://www.nsk.com/jp-ja/ |
日本精工様は、1916年に国内初のベアリングメーカーとして創立され、現在は国内シェアトップ、世界でもトップ3に入るグローバル企業です。(いずれも日本精工調べ、2024年度)自動車や産業機械をはじめ、幅広い産業に欠かせないベアリングや精機製品などを提供し、世界のものづくりを支え続けています。
人事総務本部 人事部 給与厚生室
(左)井手 歩里 様 /(右)係長 西金 句留美 様
導入前の課題
- 給与改定通知の受け渡しにおける取り違えが発生しやすく、現地ペイロールシステムへの転記も手作業なため、ミスのリスクを抱えた運用が常態化していた
- 海外駐在者の給与をExcelとAccessを用いた手作業で管理しており、改定通知の送付や計算業務が一部の担当者に集中していた
- Accessの開発ロジックを把握している人がおらず、人事部の担当者でさえも修正できない状態だった
成果・効果
- システム化によって計算ミス・誤配信の発生リスクゼロを実現
- 給与改定通知の配信業務が年間75時間から6時間に短縮され大幅に負担軽減、コア業務により注力可能に
- 担当者自身が設定の改修が可能になり、制度変更にも柔軟に対応できる“自走”可能な体制を構築
世界有数のベアリングメーカーとして知られる日本精工様では、長年Excelと社内開発のAccessを併用した海外給与管理に課題を抱えていました。しかし、2024年にサークレイスの海外人事特化型サービス「AGAVE海外給与計算」を導入し、業務効率の大幅な改善を実現しています。当時、AGAVEの給与計算サービスがプロトタイプ段階にあった中、サービスの開発協力を経て導入に至った経緯と、その成果について、人事部 給与厚生室の西金 句留美様にお伺いしました。
導入の背景
改修できないシステムと煩雑な手作業で常にミスのリスクを抱えていた
貴社の海外駐在員の人数と、管理体制について教えてください。

人事総務本部 人事部 給与厚生室係長
西金 句留美 様
日本精工 西金様(以下、西金様):日本精工グループの海外拠点は30か国に広がっており、その内の15か国・60拠点に約230名の海外駐在員を配置しています。中国やアメリカの割合が多いですが、その他にも欧州やASEAN、インド地域などにも駐在しています。
人事部全体では70〜80名体制ですが、海外給与の担当は3名に限られています。そのうち私を含めた2名で海外給与計算や赴任周りの実務を担ってきました。
これまで海外駐在員の給与管理はどのように行っていたのでしょうか。
西金様:従来は、給与計算をExcelで行い、改定通知の発行はAccessで対応するという、複数のアプリケーションを併用した運用を行っていました。ダブルチェックという点では一定の効果があったものの、二重管理となってしまうため、業務負荷は決して小さくありませんでした。
Excelの魅力は誰もが操作しやすく、柔軟に使えることです。ただ一方で履歴管理が難しく、バックアップについても毎月ファイルをコピーする必要がありました。年月とともにファイルが増え、管理は煩雑になりますし、過去の経緯をさかのぼって確認することも容易ではありません。
また海外給与は、画一的な給与テーブルがある国内とは異なり、赴任先各国の規定やルールに合わせて変化します。そのため、Excel上の計算式は非常に複雑で、前提条件やどのような根拠に基づいているのか、初見では到底理解できない状態でした。なんとか前任者の解説を受け理解できたものの、今後別の社員へ引き継ぐことを考えると、管理体制に限界を感じてもいました。
Accessについても、社内で何十年も前に開発された仕組みを使い続けており、以前から部署内では課題として認識されていました。開発者はすでに組織内におらず、自分たちでは改修する術がないため、制度変更などで手を入れたくても対応できない状態でした。
選定のポイント
プロトタイプの段階で必要性を確信し、1年半の“開発協力”関係に
AGAVEを知ったきっかけと、導入までの経緯を教えてください。
西金様:給サークレイスが開催したセミナーを視聴したことがきっかけです。ただこの時の内容は、あくまでも赴任管理に関するセミナーでした。ですがその中で、海外給与計算のサービスを今後提供予定であるという紹介があり、すぐにメールで問い合わせした記憶があります。
給与計算サービスは、まだ開発途中の段階だとお聞きしましたが、実装予定の機能はいずれも当社が叶えたいことを漏れなくカバーしているように感じられました。また当社の課題をお伝えする中で、サークレイスの社内に、海外給与の実務に対する理解が深い方がいることもわかりました。十分な機能に加えて、スピーディで的確な回答が得られるコミュニケーションの安心感から、導入を前向きに検討しようという流れになりました。
そこから製品リリースまでの約1年半にわたり、当社の要望や必要要件を共有しながら「開発協力」という形で関係を継続してきました。初期のプロトタイプ段階から、実際の運用を想定したフィードバックを適宜お伝えし、改良版のプロトタイプが提示されるたびに確認と意見交換を行うというやり取りを重ねてまいりました。
こうした当社からの利用者視点の情報提供も踏まえてAGAVE側で開発が進められ、2024年1月にAGAVE給与計算が正式にリリースされました。それを受け、当社でもまもなく導入準備をスタートさせました。
給与計算システムにどのような機能を必要としていたか、詳しく教えてください。

西金様:海外給与の計算と同時に、柔軟に使える給与のシミュレーション機能を強く希望していました。国内の給与システムにも計算機能はありましたが、計算日が固定されており、好きなタイミングで利用できない点が課題でした。海外駐在では、赴任前に給与額の提示を行うケースが多く、こうした要望に柔軟に対応できる仕組みが必要だったのです。
また手作業を前提としない運用も重要でした。従来は、改定通知の送付や現地ペイロールへの転記を手作業で行っていたため、常にミスのリスクを抱えていました。こうした手運用のリスクをできる限り排除し、安全に処理できる仕組みをシステムの必須要件として考えていました。
開発協力から導入を決めるに至るまでのプロセスはどのように進みましたか。
西金様: 開発期間中は、現地の人事駐在員にもテスト環境で実際に操作してもらいながら、運用に即した形で機能を検証しました。テストを進める中で、国内給与情報を現地の納税申告に活用するための連携が必要であることが分かりました。要望をまとめたことで、データ取込等の具体的な方法を丁寧にレクチャーしてもらえたのは非常に助かりました。
また、導入前の段階で、画面構成や操作性を細かく確認できたことは、大きな安心材料になりました。加えて、給与計算の正確性についてもこの段階で検証できていたため、導入開始後もスムーズに進行できました。
サークレイスの導入支援サービスはいかがでしたか。

西金様:対面またはオンラインで定例会議を設けてもらい、定期的に進捗共有や認識のすり合わせができました。当社側の要望や質問はリストで管理し、対応可否や今後の持ち越し事項を会議の中で明確に整理できたため、安心感を持って取り組むことができました。
システム操作にとどまらず、業務フロー全体について改善提案をもらえた点も、さすがだと感じました。給与の試算結果を駐在員ごとにExcelファイルで作成・送付するのは、計算式や係数が属性によって異なることもあって、非常に手間のかかる運用でした。これに対し、試算結果をシステム上で配信し、計算に使用したExcelを別の所定場所に置くことで各自確認してもらう流れを提案してもらいました。
こうした工夫の結果、Excelファイルを個別作成・配布する作業を廃止でき、業務負担を大きく軽減することができました。システムの機能面に限らず、周辺業務についても相談できる点は、非常に心強かったです。
導入効果
給与計算の安定により、コア業務に注力できるように
導入後、どのような成果がでましたか。
西金様:給与改定における計算ミスや通知書の誤配信リスクは、AGAVEの導入によりゼロにできました。データの一括取り込み機能や、画面上での明確な入力チェック機能が整備されたことで、従来の手作業に起因する人的エラーが発生し得ない運用体制が構築されています。
そのうえで、給与改定通知の配信業務は、年間75時間から6時間へと大幅に短縮されました。従来は、改定通知をPDFで作成し、ZIP形式にまとめてパスワードを設定したうえで、各地域にメールで送付していました。改定通知は昇給や昇格、国内給与の変更に応じて、多い人では年3〜4回発生するため、その都度多くの時間を要していました。導入後は、ボタン1つで配信が完了するようになり、配信にかかる工数は劇的に削減されました。
給与計算が安定したおかげで、私たちの業務全体にも余裕が生まれました。その結果、危機管理や制度企画など、海外駐在員の安全をケアするといったより重要度の高い業務により注力できるようになっています。
定量的な成果以外に、効果を実感したことはありますか。
西金様: AGAVEは計算の仕組みが画面上で可視化されているため、これまで課題だった計算根拠が不明瞭な状態が解消されました。引き継ぎがしやすくなったことに加え、現在では担当者自身が設定を見直し、必要に応じて改修できるようになっています。その結果、制度変更があった場合でも、柔軟に対応できるようになりました。
今後の展望や、AGAVEに期待することはありますか。
西金様:給与以外の、海外で使われているさまざまなコストが、本社側から把握しづらい状況にあります。現地の協力は必要になりますが、海外側の支払い情報もAGAVE上で確認できるようになれば、グループ全体のコストを可視化できると考えています。その情報をもとに、経営判断や予算管理に活用していけると思うので期待しています。
実務面では、税法や社会保険に関する法令改正があった際に、AGAVE内で知らせてくれる機能があると助かります。海外給与の計算式には国内法令を反映している部分も多く、担当者自身で情報収集は行っていますが、システム上でも通知されれば、キャッチアップ漏れによるミスを防げるのではないかと考えています。
どんな企業にAGAVEの導入をおすすめしていただけますか。
西金様:海外給与は非常にニッチな領域で、どうしても一人の担当者が業務を抱え込みやすい分野です。可視化を進めたい、属人化を解消したいと考えている企業にとって、AGAVEは有力な選択肢になると思います。
Excelでの管理も、駐在員が数人程度であれば対応できるかもしれませんが、一定数以上の海外駐在員を抱える企業にこそ、ぜひ検討されるとよいと思います。




