データレイクとは?DWHとの違いやメリット、構築のポイントを解説

 Sep 15, 2026, 9:00:00 AM サークレイス株式会社

社内に散らばるデータを活用したいものの、どこから手をつければよいか迷っていませんか。部署やシステムごとにデータの形式が異なり、それぞれの場所に分散したままになっていると、分析を始める前に、社内のデータを一か所へ集める仕組みから整えなければなりません。

データレイクは、形式を問わずあらゆるデータを集約できるデータ基盤として注目を集めています。

この記事では、データレイクの基本概要からデータウェアハウスとの違いやメリット・課題、構築時に押さえたいポイントまでをわかりやすく解説します。

\ データ・AI活用を一気通貫でサポート /

サークレイスに相談する

【この記事で分かること】

・データレイクの基本情報と、データウェアハウス・データレイクハウスとの違い
・データレイクのメリットと課題・デメリット、構築時のポイント
・データレイクの活用事例
・データレイクの構築に使える主要な製品・サービス

データレイクとは?

データレイクとは、構造化データに加えて、ログや画像といった半構造化・非構造化データを元の形式のまま集約・保存できるデータ基盤のアーキテクチャです。

データ基盤とは、データを収集・保存・処理・分析・活用に必要なシステムや仕組みの総称です。データレイクは、その中で多様なデータを集約し、将来の分析やAI活用に備えて保存する役割を担います。

データ基盤には、データレイクを中心とする構成、データウェアハウスを中心とする構成、データレイクとDWHを組み合わせた二層構成、両者の機能を統合したレイクハウスなどがあります。扱うデータの種類や利用目的に応じた構成の選定が重要です。

ただし、単なる「生データの置き場」と捉えてしまうと、その価値を十分に引き出せません。膨大なデータを集めるだけで、自動的に使える状態になるわけではないためです。

将来の利用を見据え、メタデータの付与やデータ品質の維持、アクセス権限の適切な管理まで含めた運用が重要になります。データレイクの構築では、データを一か所に溜め込むだけで終わらせず、保存・管理・活用までをセットで捉えるかどうかが成果を分けます。

>データ分析基盤のアーキテクチャとは?AI活用を見据えた設計のポイントも解説

データレイクが注目される背景

データレイクへの注目が高まる背景には、生成AIやAIエージェント活用の急速な進展があります。

生成AIやAIエージェントを業務で活かすには、テキストや音声をはじめとする多種多様な形式のデータを加工せずそのまま保持できる柔軟な基盤が必要です。あらかじめ形式を決めて整理する方法では、その枠に収まらないデータが手元に残らず、AIに渡せる情報の幅が狭まります。

部署やシステムごとにデータが散在してサイロ化した状態では、AIに学習させるデータそのものが不足し、投資に見合う成果を得られません。社内に眠るあらゆるデータを一元的に蓄積し、必要に応じて連携できる環境づくりが、AI活用の成果を大きく変えます。

こうした要件と合致するのが、形式を定めずに取り込み、利用する時点で目的に応じて加工するデータレイクの設計です。テキストや音声、画像、ログを変換せずに同じ場所へ蓄積でき、必要になった時点でAIの学習データや検索対象として引き直せます。

前提となる形式を決めずに済む柔軟さが、AI活用を見据えたデータ基盤としてデータレイクが注目される理由です。

>データ基盤とは?構築のメリットやステップを解説

データレイクとデータウェアハウス・データレイクハウスの違い

前述のとおり、データレイクはデータ基盤のアーキテクチャの1つです。自社に合うデータ基盤を選ぶには、それぞれのアーキテクチャがどのような特性を持つのかを正しくつかんでおくことが重要となります。

ここでは、データレイク、データウェアハウス(DWH)、データレイクハウスの機能や用途の違いを整理しました。

項目

データレイク

データウェアハウス
(DWH)

データレイクハウス

保存するデータ

構造化・半構造化・非構造化

構造化データ
(整理・統合済み)

構造化・半構造化・非構造化

データを整えるタイミング

使うときに整える

保存する前に整える

どちらにも対応

主な用途

・大量データの蓄積

・AI・機械学習への学習データ供給

決まった指標の集計と定型レポートの高速出力

大量データの蓄積と高速集計の両立

コスト

低

高

中〜高

AI活用との相性

高い

限定的

高い

向いているケース

・画像や音声、ログなど形式の異なるデータをまとめて分析したい

・AIや機械学習に使う学習データを集めたい

・決まった集計を正確に繰り返したい

・BIツールで定型レポートを高速に出力したい

・全社のデータ基盤を1つに集約したい

・蓄積したデータをそのまま高速分析とAIの両方に回したい

データレイクとデータウェアハウスの違い

両者を分けるのは、データの保管形式とデータを整えるタイミングです。

データウェアハウス(DWH)は、あらかじめ定義した構造に合わせてデータを加工・整理してから格納する仕組みです。形式がそろっているため、集計や定型レポートの作成を高速に処理できます。

一方、データレイクは、生のデータを形式を問わずそのまま蓄積し、利用する時点で目的に応じた加工を行います。事前定義が不要で多様なデータを素早く取り込める柔軟さが、データレイクならではの強みです。

用途が定まった定型分析にはデータウェアハウスが、未知の課題を掘り起こすような高度な分析にはデータレイクが力を発揮します。

データレイクとデータレイクハウスの違い

データレイクハウスは、データレイクの柔軟性とデータウェアハウス(DWH)が持つ信頼性・管理機能を統合したアーキテクチャです。データレイク単体では、データの更新処理や整合性・一貫性の管理が難しいという弱点があります。

データレイクハウスはこの課題を解消し、生の非構造化データの管理コストを抑えながら、データウェアハウスと同等の高速なSQLクエリの実行やデータ品質の管理を実現します。双方の強みを併せ持つため、分析精度の向上に加え、リアルタイム処理にも対応しやすく、AI活用との親和性が極めて高いアーキテクチャです。

ただし、データレイクハウスが常に優位というわけではありません。管理機能を備える分、ストレージ費用に加えて処理基盤の利用料がかかり、テーブル設計や品質管理のルールづくりといった運用作業も発生します。

大量の生データをできるだけ安く蓄えておきたい段階や、AI・機械学習向けの学習データを形式を問わず幅広く集めたい用途であれば、構成のシンプルなデータレイクで目的を果たせます。BIツールでの高速な集計や、更新処理をともなう厳密なデータ管理が必要になった時点でデータレイクハウスへ広げる、という段階的な進め方も現実的な選択です。

 

データレイクのメリット

データレイクを導入すると、企業のデータ活用環境は大きく変わります。大量の生データを低コストで保持、形式を問わない一元管理、先進的なAI技術との親和性など、利点は多岐にわたります。

ここからは代表的な3つのメリットを順に見ていきましょう。

大量データを低コストで蓄積できる

クラウドストレージなどを活用すれば、コストを抑えながら大量のデータを蓄積できます。従来のデータウェアハウスのように格納前の高度な加工処理を必要としないため、ストレージ費用と前処理にかかるシステム負荷の両方を抑えられます。

ペタバイトクラスの膨大なデータであっても、安価な長期保存が可能です。データ量が増え続ける現代の企業にとって、将来の拡張性を保ちながら運用コストを抑える有効な選択肢です。

多様なデータを一元化しサイロ化を解消する

社内に分散するあらゆるデータを集約し、情報のサイロ化を防ぐ役割も果たします。基幹システムの構造化データはもちろん、Webサイトのアクセスログやセンサーデータといった半構造化データ、画像・動画といった非構造化データまで、形式を問わずに取り込める点が特徴です。

部署ごとの分断が解消されると、全社的な視点でのクロス分析やデータ連携に取り組みやすくなります。横断的なデータ共有は、組織全体の業務効率化やデータドリブンな意思決定を力強く後押しします。

AI・機械学習の基盤になる

多様な非構造化データをそのまま保持できる特性は、AIモデルや機械学習モデルを構築するうえで大きな強みになります。生成AIやAIエージェントの出力精度を高めるには、加工前の一次情報を含む豊富な学習データが欠かせません。

テキストや音声といった生の情報を形式を問わず蓄積できるデータレイクは、高精度なAIモデルを育てる環境として機能します。データドリブンなAI活用を目指す企業にとって、中核となる基盤です。

\ データ・AI活用を一気通貫でサポート /

サークレイスに相談する


データレイクの課題・デメリット

データレイクは優れた柔軟性を持つ一方で、運用ルールが定まらないまま使い続けると、この仕組みならではの問題が起こります。導入後に後悔しないためには、弱点や課題をあらかじめ正しく理解しておくことが重要です。

ここでは、注意しておきたい代表的な3つの課題・デメリットを確認していきます。

データスワンプ(データの沼)に陥るリスク

整理をしないままデータを蓄積し続けると、どこに何のデータがあるのかわからない「データスワンプ(データの沼)」に陥る危険があります。検索性や可視性が失われた状態では、必要な情報を探し出すだけでも多大な時間と手間がかかり、せっかく集めたデータも活用には結びつきません。

データスワンプ化を防ぐには、データを集める作業と並行して、メタデータの整理やディレクトリ構造の維持管理といったルールづくりを進める必要があります。

データの信頼性・品質の担保が難しい

さまざまな形式の生データが無加工で投入されるため、データ自体の正確性や信頼性を保つことは簡単ではありません。欠損値や重複、古い情報が混在したまま分析に使えば、誤った意思決定を招きます。

活用の場面では、表記のゆれをそろえたり、重複や誤りのあるデータを取り除いたりする作業が必要になるケースも多くあります。利用者が安心して使える状態を保つには、品質を常時チェックする仕組みと継続的な運用体制が欠かせません。

セキュリティ・ガバナンスの確保が難しい

全社のデータが一か所に集まる分、情報漏洩や不正アクセスのリスクは高まります。個人情報や企業秘密といった機密データを含む場合、きめ細かなアクセス権限の設定と監査ログの取得が前提になります。

データの所有者や利用範囲を明確にするガバナンス体制を築けなければ、コンプライアンス違反を引き起こしかねません。セキュリティポリシーに準拠した運用の徹底が、データレイクを安全に使い続ける上で重要です。

データレイクの構築・導入で押さえるべきポイント

データレイクの構築で成果を出すには、システムを導入するだけでは不十分です。

事前の入念な設計と活用方法の明確化が、得られる成果を大きく変えます。導入段階でつまずいて費用対効果を損なう事態を避けるには、組織全体でのルールづくりと段階的な運用設計が欠かせません。

ここでは、確実に価値を引き出すための具体的なポイントを整理しました。

目的とユースケースを明確にする

構築そのものが目的化してしまう進め方は、失敗の典型例です。「まずデータを集めて基盤を作り、用途は後から考える」というアプローチでは、誰にも使われないシステムだけが残りかねません。

大切なのは、解決すべき業務課題や分析テーマを最初に定め、そこから必要なデータ項目や加工の精度を逆算する思考プロセスです。明確なユースケースを起点に構築を進める姿勢が、プロジェクトの成功率を高めます。

データを加工段階に応じて階層管理する

取り込んだデータを形式も精度も混在させたまま保管するのではなく、加工の段階に応じて階層的に管理する必要があります。一般的には、以下の3つの領域に分けて管理します。

  1. ソースシステムから抽出したままの形式で保持する「生データ層」
  2. 欠損値の処理やフォーマット変換を施した「品質調整済みデータ層」
  3. BIツールや業務分析向けに集約・加工された「業務利用層」 

段階ごとにアクセス権限や管理基準を分けておけば、データの検索性と信頼性を同時に確保できます。

メタデータとデータカタログを整備する

蓄積したデータをスムーズに見つけて使うには、メタデータの付与とデータカタログの整備が欠かせません。データの作成日時や所有者、更新履歴といった属性情報をメタデータとして記録し、検索できるカタログ形式で一元管理する仕組みを整えます。

仕組みが整えば、どこにどんなデータがあるかを検索ひとつで確認できます。所在の確認だけに費やしていた時間を分析や検討そのものにあてられるようになり、日々の業務効率化にもつながるでしょう。

ガバナンスとアクセス制御を設計する

データ漏洩や不正利用を防ぐセキュリティ体制の構築も重要です。全社のデータが集まる性質上、ユーザーや部署の役割に応じた細かなアクセス権限の設定が求められます。

機密情報や個人データのマスキング処理、操作ログの監査機能もあわせて実装しておきましょう。厳格なデータガバナンスを定めることで、安全性を保ちながら全社でデータを活用できる環境が実現します。

データレイクの活用例

データレイクは、さまざまな業界で業務効率化や新規事業の創出を支えています。量が多く形式もばらばらなデータをそのまま蓄積し、必要になった時点で分析へ回せる特性が評価され、幅広い領域で導入が進んでいます。

ここでは、用途別の代表的な活用例を紹介します。

全社データの一元化

企業のなかでは、事業部ごとにデータ基盤が個別に立ち上がり、ビジネスに必要な知見が分散してしまう状況が生まれます。基盤ごとに中身を把握しづらく、他の事業部での活用も進みません。

全社共通のデータレイクを用意すれば、工場設備やPOSレジといったIoT機器から集めたデータも、Webサイトの行動ログや顧客のサービス利用状況も同じ場所へ蓄積できます。目的に応じて後から分析や可視化につなげることも可能です。

細かな権限設定で参照範囲を制御しつつ、可視化ツールは部門ごとに選べるようにすると、部門固有のKPIを追いながら全社のデータを横断的に分析する動きにもつながります。

AI・機械学習の基盤としての利用

データレイクは、データマイニングや予測モデリング、機械学習といった分析技術のデータソースとなる基盤です。データサイエンティストが必要とするデータを探し、整え、分析していくための出発点となります。

生データをそのまま蓄積し、読み出し時に構造を決める仕組みのため、精度改善の過程で新しい特徴量が必要になっても、蓄積済みのデータから後から抽出できます。テキストや画像、ログなど形式の異なるデータを同じ基盤に置ける点も、学習データの確保に有利です。

モデルの再学習についても、過去の任意の期間のデータを抽出し直し、そのまま実行できます。

マーケティングでの顧客分析

マーケティングの現場では、Web解析のアクセスログ、マーケティング自動化ツールの配信・反応履歴、CRMの商談情報、広告媒体やSNSのデータがそれぞれ個別に蓄積されていきます。ツールごとに保存形式が異なるため、同じ顧客の行動であっても、チャネルをまたいだ一連の流れとして結びつけにくいのが実情です。

データレイクなら、形式の異なるこれらのデータをそのまま一か所へ集められるため、ツール単位で分断されていた顧客像を横断的に捉えられます。集約したデータに業種や企業規模といった外部データを補えば、予測分析によって有望な販売機会を絞り込む使い方も可能です。

さらにBIツールを組み合わせると、キャンペーン別や製品別など見たいレポートの切り口を組み替えたり、ドリルダウンを組み直せるため、広告・イベント・メールのうちどれがどれだけ売上に寄与したのかを確かめる分析にもつなげられます。

カスタマーサポートの品質向上

問い合わせ対応の現場では、メールやチャットのテキスト、電話の音声、FAQの閲覧ログ、CRMの対応履歴といった多様なデータが発生します。しかし実際には、通話の録音データやWebの行動ログまでを一か所へ集約できていないケースも少なくありません。

データレイクへ集約すれば、音声や自由記述のコメントを変換せずに取り込み、CRMの構造化データと紐づけて分析できます。頻出する不具合や解約の予兆を洗い出したり、対応履歴とマニュアルをAIチャットボットの参照元にするといった活用も可能です。

営業活動の支援

営業部門には、営業支援システムの商談履歴、見積・受注データ、イベントの参加者リスト、商談の録音や議事録といった形式の異なる情報が集まります。担当者の手元で管理される情報も多く、組織全体での活用が進みにくい点が課題です。

これらをデータレイクへ集約すると、受注に至った案件の共通点や失注理由の傾向を横断的に分析できます。Webサイトの閲覧履歴やメールの開封状況といった行動データも同じ基盤に置けるため、確度の高い見込み顧客の抽出や、次に取るべきアクションの提示にも応用できます。

バックオフィス業務の効率化

経理や人事、法務の業務では、請求書や契約書のPDF、就業規則、業務マニュアルなど、非構造化のデータが大量に蓄積されます。事前の構造化を前提とするデータウェアハウスでは扱いにくい領域ですが、データレイクなら形式を変えずに保管し、会計システムの数値データと同じ場所で管理できます。

文書を検索できる状態に整えれば、社内規程を根拠に回答する問い合わせ対応の自動化も可能です。請求データと取引履歴を照合して金額の異常を検知する処理も、同じ基盤の上で実行できます。

IoTデータの分析

製造業では、温度・振動・圧力といった高頻度のセンサー測定値が、機器の世代ごとに異なる形式で蓄積されます。データレイクに生データのまま取り込めば、流れてくるデータを順次整形しながら異常検知モデルへ渡す処理を組み立てられるため、形式の違いを吸収できるのが利点です。

センサーの測定値とメンテナンス履歴、品質レポートを別基盤へ移すことなく結合できるため、システムが分断された状態では実現できなかった精度の予兆保全につなげられます。

リアルタイムでの不正検知

Eコマースの不正検知では、決済の記録だけでなく、サイト内の行動ログ、端末やIPの情報、過去の取引履歴まで含めて判断します。これらは秒単位で発生し続け、出どころごとに記録の形式も異なるため、あらかじめ決めた構造へ変換してから保存する仕組みでは取り込みが追いつきません。

データレイクなら、発生し続けるイベントを生のまま低コストで蓄積し、同じ基盤の履歴データと結びつけて不正スコアを算出できます。学習用の過去データと判定対象の直近データが一か所に揃うため、モデルの更新と、購入から数秒以内の判定を並行して運用できます。

\ データ・AI活用を一気通貫でサポート /

サークレイスに相談する

データレイクの構築に使える主要な製品・サービス

データレイクの構築に使える製品は多岐にわたります。自社に最適なツールを選ぶには、役割ごとに分類して検討する進め方が有効です。

ここでは代表的なサービスを「クラウドストレージ型」「データ/レイクハウスプラットフォーム型」「オンプレミス・分散処理型」の3つに分け、それぞれの特徴と選定基準を解説します。

分類

担う役割

代表的な製品

クラウドストレージ型

データを貯める領域のみを提供

・Amazon S3
・Azure Data Lake Storage
・Google Cloud Storage
・OCI Object Storage

データ/レイクハウスプラットフォーム型

蓄積から分析・AI活用までを一体で提供

・Databricks
・Snowflake
・Microsoft Fabric

オンプレミス・分散処理型

自社設備上に分散処理基盤を構築

・Apache Hadoop

クラウドストレージ型

クラウド事業者が提供する大容量の保存領域を中心に据え、分析エンジンやデータカタログを自社で組み合わせていく方式です。

構成要素を自由に選べるため、分析基盤の設計方針が固まっている企業に向いています。一方で、複数のサービスをつなぐ設計と運用は自社の担当範囲となるため、社内に一定の技術力が求められます。

選定基準

評価・特徴

自社構築の自由度

高:構成や連携ツールを任意で設計可能

運用負荷

中〜高:ストレージ管理は不要である一方、パイプライン構築が必要

AI活用への拡張性

中:各クラウドのAI機能や外部ツールと別途連携設計が必要

代表的な製品には、以下のようなものがあります。

  • Amazon S3:高い拡張性・可用性・セキュリティを備え、構造化・非構造化を問わず大量のデータを保存できるオブジェクトストレージサービス
  • Azure Data Lake Storage:Azure Blob Storageを基盤に、階層型ディレクトリやファイル単位のアクセス制御など、ビッグデータ分析向けの機能を備えたストレージサービス
  • Google Cloud Storage:容量の上限を気にせず非構造化データを保存でき、Google Cloudの分析・AIサービスとも連携しやすいマネージド型オブジェクトストレージ
  • OCI Object Storage:あらゆる種類のデータに対応し、非構造化データの保存容量をほぼ無制限に拡張できる、低コストで耐久性の高いオブジェクトストレージ 

データ/レイクハウスプラットフォーム型

蓄積から加工、分析、AI活用までを1つの製品群で完結させる方式です。インフラの管理はベンダー側が担うため、少人数の体制でも運用を回しやすくなります。

権限管理やデータの品質管理も製品側に組み込まれており、AI活用と全社分析を並行して進めたい企業に適した選択肢といえます。ただし製品が想定する構成に沿って使う前提となるため、細部まで独自に作り込みたい要件には向きません。

選定基準

評価・特徴

自社構築の自由度

中(統合環境のためプラットフォームの仕様に準拠)

運用負荷

低(フルマネージドでインフラや最適化の運用負担が少ない)

AI活用への拡張性

高(AI/ML環境やガバナンス機能が標準で統合)

代表的な製品には、以下のようなものがあります。

  • Databricks:データレイクハウスと生成AIを基盤に、大規模なデータ分析・データエンジニアリング・AI開発を1つの環境で進められる統合型プラットフォーム
  • Snowflake:データの保存・処理・分析からAI開発やデータ共有までを、インフラの管理負担を抑えて実行できるフルマネージド型データプラットフォーム
  • Microsoft Fabric:OneLakeを共通のデータ基盤として、データ統合・分析・データサイエンス・リアルタイム処理・BIを1つの環境に集約した統合データプラットフォーム 

オンプレミス・分散処理型

自社が管理するサーバー群に、複数台へ処理を分散させる仕組みを組み上げる方式です。データを社外に出さずに済むため、機密性の高い情報を扱う企業や、法規制でクラウド利用が制限される業種で選ばれています。

オープンソースソフトウェアを利用するため、ライセンス費用はかかりません。一方で、ハードウェアの調達からクラスタ運用、障害対応、データ量の増加にともなうサーバー増設までを自社で抱えるため、初期費用と運用要員、セキュリティ要件などを踏まえて導入を判断します。

選定基準

評価・特徴

自社構築の自由度

高(オープンソースで完全なカスタマイズが可能)

運用負荷

非常に高い(サーバー保守やチューニング作業が必須)

AI活用への拡張性

中(各種フレームワークの個別構築と連携作業が必要)

代表的な製品には、以下のようなものがあります。

  • Apache Hadoop:複数のサーバーで大規模なデータを分散保存・並列処理でき、1台から数千台規模まで拡張可能なオープンソースの分散処理フレームワーク

データレイクに関するよくある疑問

データレイクを理解するうえでは、既存のデータベースとの違いや、主要クラウドでの構築方法を押さえておくことが重要です。

ここでは、データベースとの役割の違いに加え、AWSとMicrosoft Azureにおけるデータレイクの特徴をまとめました。


データベースとデータレイクの違いは?

主な違いは、扱うデータの形式と利用目的にあります。一般的なリレーショナルデータベース(RDB)は、事前に定義された構造化データを厳格に管理し、日常の業務処理や正確なトランザクションを実行する用途に向いています。

対するデータレイクは、非構造化データを含む生の情報をそのまま集約し、将来の高度な分析やAI学習に役立てる基盤です。どちらが優れているという話ではなく、目的に応じて使い分ける視点が重要になります。

AWSにおけるデータレイクとは?

AWSにおけるデータレイクは、Amazon S3を中心に構築するデータ基盤を指します。形式を問わずデータをそのままの状態で保存でき、AWS Glueによるカタログ化やETL処理、Amazon AthenaでのSQLクエリ実行、Amazon Redshiftとの連携といった分析につなげられます。

サーバーレスのサービスを組み合わせられるため、インフラの構築や保守の手間を抑えながら、可視化や機械学習まで広げやすい構成が特徴です。

Azuru Data Lakeとは?

Azure Data Lakeは、Microsoft Azure上でデータレイクを構築するサービスです。Azure Data Lake Storageは、Azure Blob Storageを基盤に、形式を問わずデータを保存できます。

階層型名前空間やファイル単位のアクセス制御に対応し、Azure DatabricksやSynapse Analyticsなどと連携して、ビッグデータの処理・分析に活用できます。

まとめ

データレイクは、単なるデータの保管場所ではありません。生成AIの活用やデータドリブン経営を実現するうえで、中核となるデータ基盤です。データを蓄積するだけでは成果につながらず、統合管理から最終的な利活用までを一貫して設計してこそ、ビジネスの成果に結びつきます。

サークレイスは、製品選定の支援にとどまらないトータルサポートを提供しています。

DX推進の豊富な実績にもとづき、活用目的の設計からシステム構築・統合、現場での運用定着までをワンストップで伴走できる体制です。さらに、AI活用による業務変革や意思決定の高度化まで見据え、システムを導入して終わりにせず、実務で成果を出し続けるためのパートナーとして支援します。

データ基盤の構築や統合活用に課題を感じている方は、ぜひ一度サークレイスへご相談ください。

\ データ・AI活用を一気通貫でサポート /

サークレイスに相談する