導入事例
株式会社パソナHRソリューション 様
ご利用プロダクト:
統合型デジタルコミュニケーション・プラットフォーム「Circlace®︎」
問合せ対応を定型化し、顧客とのやり取りを平準化
属人性を排することで、メンバー個々の成長を促す

株式会社パソナHRソリューション
事業内容 | 人事BPO事業 シェアードサービス事業 |
URL | https://pasona-hrs.co.jp/ |
2015年8月、パソナグループの人事(社員・派遣)給与シェアード機能と、パソナグループ内のペイロール事業を統合して、株式会社ベネフィットワン・ペイロールを設立。2020年4月、株式会社パソナHRソリューションに社名を変更し、給与業務のみならず人事労務全体にサービス領域を拡大。企業の人事戦略パートナーとして、クラウドツールを活用するなど次世代型の人事業務の支援を行っている。
写真左:株式会社パソナHR ソリューション 副社長執行役員 河合幹彦 様
写真右:サークレイス株式会社 DX本部 SaaS 営業部 渡邉奨吾
導入前の課題
- 顧客とのやり取りがメールやチャット中心で、対応の様子を把握できなかった
- 経験の浅いメンバーでも即戦力化しながら、質の高い顧客対応を実現したかった
- 個々のメンバーのノウハウを会社全体のノウハウとして、蓄積・活用したかった
導入後の効果
- 問合せ業務のフォーマット化を行い、誰もが質の高い顧客対応をすることが可能になった
- 顧客とのやり取りが透明化され把握できるようになり、引き継ぎもスムーズに
- 顧客との対応履歴を蓄積し、顧客特性や工数などを分析できる基盤ができた
“ Circlace®︎を見れば、お客様とのやり取りがつかめるようになりました。属人化を防ぎ、担当者の引き継ぎもしやすくなります ”


株式会社パソナHRソリューション
副社長執行役員 河合幹彦 様

導入の背景
人事BPOにおける顧客とのやり取りを透明化し、
蓄積するための仕組みが必要
働き方の変化や人材確保が困難になるなか、自社の「人財」を如何に最大限に活かすかが多くの企業の課題となっている。そうした課題を解決すべく、パソナHRソリューション(以下、パソナHRS)は、企業の人事戦略パートナーとして、給与業務はもちろんのこと人事労務業務全体をカバーする人事BPO事業を展開している。
日本の人事BPO市場は拡大しているが、それでも欧米に比べるとまだまだ進んでいないと、同社副社長執行役員の河合幹彦様は言う。その理由の一つに、日本ではそれぞれの企業ごとに独自の雇用習慣があるため、現状のままアウトソースしてもコストメリットがでないことが挙げられる。業務を標準化することでアウトソースしやすくなるが、そのためにはまず自社の業務も標準化する必要があると河合様は考えていた。
これまで同社では、顧客企業に対して、A社担当はXさん、B社担当はYさんというように担当者を割り振り、メールやチャットを使って業務を進めていたが、こうしたコミュニケーションのやり方では、業務が属人化してしまい標準化が難しい。
「お客様とのやり取りを一元管理し透明化できる、全社共通のプラットフォームが必要だと感じていました」と、河合様は振り返る。
また近年、「従業員からの問合せ窓口業務を代行してほしい」という顧客企業からの要望に対して、体制的に十分に対応できないという課題もあった。例えば、年末調整の問合せ対応を依頼されても、専門的な知識をもつメンバーが限られているため、受託するかどうかの判断が難しかったのだ。
逆に言えば、こうした専門性のある問合せ業務を円滑にこなせれば、ビジネス機会は拡大する。そのためには、経験の浅いメンバーの早期戦力化やスキルの平準化、質問内容に応じて専門知識を持つメンバーにエスカレーションする仕組みが求められていた。
導入のポイント
問合せ履歴などを蓄積することで、
ノウハウの共有、分析に活用できる Circlace®
河合氏のもとに、サークレイスが「Circlace®︎」を提案したのは 2020 年 12 月のことだ。 河合様は、Circlace®︎ を顧客対応の全社共通のプラットフォームとすることで標準化が実現できると感じ、さっそく同社の複数のメンバーに評価・検証させることにした。
しかし、 プロジェクト管理の専用ツールとの差異、すでに導入済だった Microsoft Teams との使い 分けなどが課題としてあげられ、なかなか導入決定には至らなかった。河合様は Circlace®︎ の可能性を認識していたが、「メンバー自身がツールに馴染めるか、使いこなせるか」が 、 重要だと考えていた。
現場の業務をもっと理解する必要があると考えたサークレイスでは、現場のマネージャーにヒアリングを重ねて業務理解を深め、Microsoft Teams との使い分けの整理、担当者が 入力しやすいようテンプレート化するなどの改善、プロジェクト管理専用ツールでは実現 できない BPO 業務に適した Circlace®︎ の使い方提案などを行った。
「サークレイスの熱心な姿勢によって、現場のメンバーの導入に対する不安が払拭され 、システムに対する理解も深まっていきました」と、河合様は振り返る。
その結果、2021 年 8 月に正式に Circlace®︎ の導入が決定した。
導入の効果
顧客とのやり取りが透明化され、問合せ業務の仕組み化も実現
導入後は、希望する顧客企業との間で、従来メールやチャットで行ってきたコミュニケーションを Circlace®︎ に移行した。また、一部のプロジェクト管理も Circlace®︎ で行うようにしている。
「マネージャや経営層も、顧客とメンバーの間でどんなやり取りが行われているのかが分かるようになりました。また、担当するメンバーが異動などで変わっても、過去のやり取りが残っているのでスムーズに引き継げます」と、河合様は導入効果を話す。
こうした通常業務での顧客とのやり取りに Circlace®︎ を活用するのと並行して、もう一つのテーマである「問合せ業務」への対応を、12 月の年末調整を見据えて進めていった。
問合せ項目をフォーマット化することで、経験の浅い担当者でも一定品質の対応ができるようにするとともに、専門性の高い質問や想定外の質問をされたときに、ノウハウのあるベテラン担当者へエスカレーションする仕組みをつくった。これによって、一時期に集中する年末調整の問合せ業務を、若手とベテランの連携のもとでスムーズに対応できるようになった。
また、問合せ履歴のデータを蓄積できたことの意義も大きい。問合せの傾向、顧客ごと の特性などを分析することで、今後の対応の仕方などを改善できるようになるからだ。
今後の展望
データの蓄積・分析をさらに強化
メンバーの成長のために Circlace を活用したい
パソナ HRS では今後、顧客とのやりとりや問合せ業務などで蓄積したデータを分析する ことで、さらなる業務効率や顧客サービスの向上に役立てたいと考えている。
「今後事業を拡大させていくうえで、お客様とのやり取りに関するデータは会社の財産になります。 特に、お客様の特性と工数の相関関係をつかむことが重要です。また、メンバーの日々の対応がどんな結果になっているのか、分析結果を簡単に見せられるようにすることも、メンバーの気づきや改善につながると考えています」
最後に河合様は、属人化を排除し業務を仕組み化することが、業務を効率化させるだけでなく、個人の可能性を広げることにもつながると説明してくれた。
「業務が仕組み化できていれば、新しいメンバーを迎えるときのハードルを下げられますし、異なる職種にチャレンジしたいというメンバーにも好都合です。また、 頑張りすぎているメンバーをカバーすることも容易になります。そうした個々のメンバーの成長を促す組織にすることが、結果として長期的にお客様への質の高いサービス提供につながると考えています。当社が進化し、ひいては人事 BPO 市場が拡大するためにも、Circlace®︎ のさらなる進化を期待しています」