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カスタマーサクセスとは?カスタマーサポートとの違いや業務内容について解説

 2022.05.17 Circlace

customer success followビジネスモデルの変化などを背景に、近年「カスタマーサクセス」という概念に注目が集まっています。しかし、その具体的な内容や、そもそもなぜカスタマーサクセスが重要なのかを明確には理解できていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、カスタマーサクセスの概要や必要とされる理由、カスタマーサポートとの違いなどを解説します。併せて、カスタマーサクセスの業務内容を4つのフェーズに分けて詳しく紹介しますので、参考にしてください。

カスタマーサクセスの概要

Customer Success Hearing「カスタマーサクセス(Customer Success)」は、直訳すると「顧客の成功」「顧客の達成」を意味する言葉です。すなわち、カスタマーサクセスとは、能動的に顧客と関わることで顧客の望みを叶え、顧客に成功体験をもたらすための一連の取り組み(または職種)のことを指します。

カスタマーサクセスを効果的に行うと、顧客は「この商品は期待以上の価値がある」「これからもこのサービスを使い続けたい」などと商品・サービスに対し良い印象を抱くでしょう。

結果として、商品・サービスの利用継続率が向上したり、1人の顧客がほかの商品・サービスも購入してくれるようになったりするため、自社の利益拡大を目指すことができます。

カスタマーサクセスが必要とされる理由

Customer Success Step Up近年では、多くの企業がカスタマーサクセスに注目し、その取り組みを進めています。カスタマーサクセスが求められる理由として挙げられるのが、次の2点です。

  • サブスクリプション型ビジネスモデルにおける顧客ニーズを満たすため
  • 多角化経営などにより激化する市場競争のなかで差別化を図るため

それぞれの内容について、詳しく確認していきましょう。

サブスクリプション型ビジネスモデルで顧客ニーズを満たすため

これまでは、「その商品やサービスを利用したい」と思った場合、顧客は「購入して所有する」ことが一般的でした。しかし現在では、「必要な期間の分だけ費用を支払い利用する」というサブスクリプション型のビジネスモデルが広がっています。

言い換えれば、その商品・サービスが不要だと感じたら、顧客はいつでも利用契約を解約できるということです。サブスクリプション型ビジネスモデルを成功させるためには、カスタマーサクセスを通じて長期的に顧客のニーズを満たし、解約率の低下および利用継続率の向上を目指す必要があります。

多角化経営などにより激化する市場競争のなかで差別化を図るため

 多角化経営などにより激化する市場競争のなかで差別化を図るため事業のリスク分散や経営資源の有効活用などを背景に、経営を多角化させる企業が増えていることや、市場のグローバル化が進んでいることから、市場競争は激化しています。
そのような環境のなかで企業が成長していくためには、如何に他社との差別化を図るかが重要です。

とはいえ、商品そのものの機能面や技術面だけで差別化を図ろうすると、すぐに競合他社に追いつかれてしまい、現実的ではありません。
だからこそカスタマーサクセスにより、一人ひとりの顧客との関係性を深めて競争力を高めることが求められるのです。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い

customer success differenceカスタマーサクセスと名前が似ている概念に、「カスタマーサポート」があります。カスタマーサポートとは、顧客から問い合わせなどがあった際に、顧客が抱える問題や不満の解決のために対応する一連の取り組み(または職種)のことです。

商品やサービスの性質上、どうしても問い合わせが発生しやすい企業では、「お客様相談センター」などと呼ばれるコールセンターを設けてカスタマーサポートを行っています。以下では、カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いについて、項目別に比較してみましょう。

姿勢の違い

先に述べたとおり、カスタマーサクセスの目的は「顧客の望みを叶え、顧客に成功体験をもたらすこと」です。そのため、企業側から常に先回りでアクションを起こすような、「能動的」な姿勢で顧客と関わる必要があります。

一方で、カスタマーサポートの目的は、電話やメールなどでの問い合わせ対応やクレーム処理を通じて、「顧客が抱える問題や不満を解決すること」です。基本的には、顧客からのアクションがあって初めて顧客と関わるため、カスタマーサクセスの「能動的」な姿勢に対し「受動的」な姿勢であるといえるでしょう。

また、視点を変えると、カスタマーサクセスは顧客と継続的に関わりを持とうとしますが、カスタマーサポートは顧客の要望が発生した場合のみの、限定的な関わり方になります。

KPIの違い

KPIKey Performance Indicator)」とは、「重要業績評価指標」と訳されるもので、最終目標に対する達成度合いを測るための指標のことを指します。いわば中間目標ともなるKPIは、1つの最終目標に対して複数設定するのが一般的です。カスタマーサクセスとカスタマーサポートは最終的な目的が異なるため、KPIにも以下のような違いがあります。

■ カスタマーサクセス
 売上、解約率、継続率、離脱率、顧客生涯価値(LTV)など

■カスタマーサポート
 対応件数、応答にかかった時間、対応の満足度、課題解決率 など

なお、カスタマーサクセスのKPIに「顧客生涯価値(LTV)」とありますが、これはカスタマーサクセスを理解する上でも、非常に重要なキーワードとなります。LTVとは、顧客が自社と契約を開始してから終了するまでの間に、いかほどの利益をもたらすかを示す指標です。

サブスクリプション型ビジネスモデルにおいては、LTVの最大化を目指すことがカスタマーサクセスの役割となります。

4つのフェーズにおけるカスタマーサクセスの業務内容

customer success jump upカスタマーサクセスの代表的な業務内容として、次の4つが挙げられます。

  1. サービスの導入直後の支援
  2. サービスの定着に向けた提案
  3. アップセル・クロスセルの提案
  4. 顧客のニーズに基づくサービスの改善

それぞれの業務内容について、理解していきましょう。

1.サービスの導入直後の支援

まずは、顧客がサービスを契約した直後に、導入支援などを行います。これは「オンボーディング」と呼ばれるフェーズです。サービスの導入手順について説明会や勉強会を開催するなどして、自社サービスに対する顧客の熱量が下がらないうちに、スムーズな導入ができるようサポートしていきます。

2.サービスの定着に向けた提案

サービスの活用方法を正しく理解し、無事に導入できたら、次は本格的なサービスの運用と定着を支援します。これは「アダプション」と呼ばれるフェーズです。例えば、メールマガジンや動画、DMなどを用いてサービスの効果的な使い方を顧客に周知する、ほかの顧客のサービス活用事例集を作成・提供するなどの方法があります。

3.アップセル・クロスセルの提案

続いては「エクスパンション」と呼ばれるフェーズで、アップセル(より上位のモデルやプランへの契約変更)やクロスセル(自社の他サービスの新たな契約)を顧客に提案し、自社サービスのさらなる活用について働きかけます。アップセル・クロスセルの提案が顧客に受け入れられれば、LTV向上が期待できるでしょう。
ただし、アップセル・クロスセルの提案は、顧客に成功体験をもたらすための手段の1つに過ぎません。「その顧客にとってこれらの提案が有益かどうか」という視点を忘れないようにすることが重要です。

4.顧客のニーズに基づくサービスの改善

最後に、顧客の利用継続率を向上させるため、顧客のニーズに基づきサービスを改善していきます。これは「プロダクトフィードバック」と呼ばれるフェーズです。常にサービスをアップデートしていくことで、新規顧客獲得にもつながるでしょう。

カスタマーサクセスを効果的に行うためのポイント

customer success point効果的なカスタマーサクセスを実現するためのポイントは、以下のとおりです。

顧客データを収集・一元管理する

それぞれの顧客にとってベストな支援を行うためには、顧客属性への理解、顧客の現状への理解が不可欠です。顧客に紐付く情報を幅広く集めデータベース化するなどして管理することで、その顧客は何を求めているのか、どうすれば成功体験をもたらすことができるのかを見極めやすくなるでしょう。

全社で取り組むことを意識する

各部門が連携し全社で取り組むことが、カスタマーサクセス成功への近道です。経営層などがカスタマーサクセスの重要性を理解するとともに、人材・コスト面などのリソースを確保し、カスタマーサクセスを長期的に運用できる体制の構築が求められます。

カスタマーサクセスの運用におすすめな「Circlace

Customer Success Goalカスタマーサクセスの運用にお悩みの企業様には、カスタマーサクセス・プラットフォーム「Circlace@」がおすすめです。Circlaceは顧客とのやり取りや送付データなどをまとめて管理できるクラウドシステムで、プロジェクト管理機能をはじめ、問い合わせ、ナレッジ、フォーラム機能を搭載しています。

組織全体で情報共有を円滑に進められるCirclace@を活用すれば、顧客情報の収集・管理・分析を通じて顧客の要望をいち早くつかみ、対応することが可能になるでしょう。また、リモートワーク下でも、Circlace@を使ってカスタマーサクセスに関する各業務を効率的に行うことができます。

カスタマーサクセスは、能動的に顧客と関わることで顧客の望みを叶え、顧客に成功体験をもたらす一連の取り組みです。その業務内容は、顧客がサービスを導入した直後の支援から、顧客のニーズに基づくサービスの改善まで多岐にわたります。

自社に適したシステムを活用しながらカスタマーサクセスに取り組み、顧客の成功体験の実現と、自社の利益拡大を目指してみてはいかがでしょうか。

参考:

マツリカ株式会社|Senses Lab.「カスタマーサクセスとは | 具体的な業務から2つの意識すべきことまで」
https://product-senses.mazrica.com/senseslab/column/what-is-customer-success 2022年4月21日

HubSpot,Inc.|マーケティングブログ「カスタマーサクセスとは?定義やカスタマーサポートとの違いを解説」
https://blog.hubspot.jp/customer-success-and-cutomer-support 2022年4月23日

スマートキャンプ株式会社|BOXIL Magazine「カスタマーサクセスとは?カスタマーサポートとの違いや定義」
https://boxil.jp/mag/a4314/ 2022年4月19日

HubSpot,Inc.|マーケティングブログ「カスタマーサポートで重視したい、6つのKPIとは?」
https://blog.hubspot.jp/customer-support-kpi 2022年4月21日