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ナレッジマネジメントとは?意味や手法、ツール選びについて解説

 2022.06.24 Circlace

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昨今、政府からも推奨されている働き方の多様性と、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるリモートワークの加速から、社内の人材の入れ替えが激しくなっています。
生産性を向上させるために、円滑なコミュニケーションやスムーズな情報継承が難しくなり、多くの企業が「ナレッジ」を重要視しています。

では、そもそも「ナレッジ」とはどのようなことを指し、またビジネスシーンではどのような「ナレッジ」が使われ、なぜ重要視されているのでしょうか。本記事では、ナレッジやナレッジマネジメントに関する基礎知識から、ナレッジを使いこなすとどのようなメリットがあるのかをご紹介します。

「ナレッジ」の意味とは?

knowledge management2ナレッジは「知識」「知見」といった意味の「knowledge」からきた和製英語です。

ビジネスシーンでの「ナレッジ」の意味とは?

ビジネスシーンで使われる「ナレッジ」は企業にとっての有益な知識・経験・事例・ノウハウなど付加価値のある情報のことを指します。
生産性の向上や有効的な経営管理手法に役立つ重要な要素となっており、ナレッジをマネジメント(管理)するということが「ナレッジマネジメント」と言われます。

「ナレッジマネジメント」とは?

knowledge management3ナレッジマネジメントとは、従業員一人ひとりが持つ知識や経験、ノウハウなどを企業全体で蓄積・共有し活かすことで、日々の業務の効率化や経営戦略の策定に活かしていく経営手法です。

暗黙知と形式知

ナレッジマネジメントの考えには「暗黙知」と「形式知」という要素があります。

暗黙知:
属人的な経験によって蓄積される技術や知見で、言語化が難しい知識。熟練の職人が手ですくっただけで100gを計量できるような言葉で伝えることのできない技術や、主観的なコツ・ノウハウなどが暗黙知にあたります。

形式知:
言語化でき、文章や図を用いて他人に伝え、知見やノウハウを社内全体で共有できる知識。数値や手順など、客観的な要素で構成されており、誰でも理解・実践が可能なマニュアルなどが形式知にあたります。

「暗黙知」を「形式知」化することが、ナレッジマネジメントの第一歩となります。そして「暗黙知」を「形式知」化するための基本のプロセスが「SECI(セキ)モデル」といわれるものです。

SECIモデル

S:共同化(Socilization)
同じ経験や業務を通じて他者に理解してもらい、個人が保有している暗黙知を他者に共有するプロセス
→優秀な従業員やベテラン従業員の「カン」「コツ」を見て技術等を盗んで習得します

E:表出化(Externalization)
個人が持っている暗黙知を形式知化し、言葉・文章・図・数字・データなどで表現しメンバーと共有するプロセス
→ 「カン」「コツ」をマニュアル化し誰でも習得できる状態にします

C:連結化(Combination)
様々な形式知を既存の形式知と組み合わせ、新しい「知」を生み出すプロセス
→形式知化されたマニュアルを改修・追加をし新しいアイデアが生まれます

I:内面化(Internalization)
新しい「知」を各個人で体得し、自分のものとしたうえで、再度暗黙知として取り入れ、日々の業務に活かすプロセス
→ 「カン」「コツ」を自分のものとして体得実践していくことでし、新たな暗黙知が発生するため、「共同化」のサイクルに戻りますSECI Model

ナレッジマネジメントの主な手法

knowledge management4ナレッジマネジメントにはどのような手法があるのでしょうか。ここでは、主な手法4つをご紹介します。

経営資本・戦略策定型(増価×集約)

組織内外の知識を多方面から分析し、経営戦略に活かす手法です。システムを使い、自社の知識だけではなく競合他社も分析し、経営戦略を立てていきます。
組織内外を分析することで、業務フローを洗い出すことができ、戦略の見直しが可能です。

顧客知識共有型(増価×連携)

顧客知識共有型は、文字通り顧客の第一優先をモットーに掲げる手法のことです。
顧客からの意見やクレームの内容、対応履歴などを分析して顧客への業務プロセスを最適化します。業務知識の他に、業務のプロセスや先のことを見据えた知識を共有していきます。
顧客からの意見やクレーム、対応についてまとめておくことで、次回以降もスムーズに対応できるといったメリットがあります。

ベストプラクティス共有型(改善×集約)

ベストプラクティス共有型は、コンピテンシーと呼ばれる優秀な従業員の考え方や行動を形式知化させ、知識として組織内で共有する手法です。成果を上げている従業員の考え方や行動を共有することで、組織全体のスキルを上げることができます。

専門知識共有型(改善×連携)

専門知識共有型は、組織内外の専門知識をデータベースにまとめておく手法です。組織内で質問されやすい事項をまとめておき、迅速に対応できるように準備しておきます。
FAQ形式でまとめておけば、組織内外からの質問にすぐに答えることが可能です。問い合わせ業務の軽減や、対応のスピードアップに役立ちます。

ビジネスにおいてナレッジマネジメントを実施する重要性とメリット

knowledge management5ナレッジマネジメントは業務の属人化を防ぐとともに社員教育や、顧客との関係性の強化、社内コミュニケーションの活性化に活かされます。
では、なぜナレッジマネジメントは重要なのでしょうか?

属人化の解消

前述の通り、「業務の属人化」は企業にとって大きな課題の一つです。特定の従業員しか分からない・対応できない業務が多いとその人が不在の際に業務が滞りスピード感のある業務が実現できません。
ナレッジやノウハウを持っていた担当者が急な退職・休職をした場合に、業務に必要な情報が共有されてこなかったとなると、顧客対応も上手くいかずに、品質の維持もできなくなる…ということも起こりえます。それにより取引先との信頼関係が失われてしまう可能性もあります。企業にとっては避けたいことです。

仕事は本来、部署内の従業員が誰でもカバーできる体制を作っておくことが理想です。
企業にとって属人化せずにナレッジを伝承できるかどうかが、従業員の成長とともに企業の成長を左右します。個人の暗黙知に依存せずに、社内全体でナレッジやノウハウを蓄積し形式知化することが、属人化を防ぐにあたって必要不可欠です。

業務の効率化

業務が属人化していると、何度も同じ質問に回答するなど重複する社内工数も増えます。
ナレッジマネジメントにより、ナレッジやノウハウを形式知化し情報を集約しておくことで、誰でも質問したい内容を検索して自己解決できるようになります。
誰でも自己解決ができれば、社内人材の業務知識レベルが早くから上がり、人材育成にも役立ち、ベテラン従業員の手間も大幅に削減できます。従業員のスキルの全体的な底上げができるため、業務も平常化され、提供するサービスの品質維持も可能となります。

ナレッジマネジメントを実践することで、「業務の効率化」「品質レベルの維持/生産性の向上」 「従業員のスキルの全体的な底上げ」 「コスト削減」に繋がります

情報管理ツールを活用する

一元管理ができる情報管理ツールもあります。情報管理に特化した専用のツールなので、ルールに則った運用がしやすくなります。さまざまな情報やデータを管理できることもメリットです。
中には、ツール内でコミュニケーションが取れるものもあります。データに関する情報をやり取りしながらの管理が可能なため、業務効率化につながります。

ただし、情報管理ツールに備わっている機能は多岐にわたります。ツールによって備わっている機能が異なるため、自社に合ったものを選ぶ必要があります。

ナレッジマネジメントが注目されている理由

knowledge management6これまで日本の企業では、ベテラン従業員による暗黙知を次世代の従業員にじっくりと時間を掛けて継承していく文化がありました。そのため、業務が属人化していても、属人化したまま自然と受け継がれていた傾向があったと考えられます。
しかし、近年は暗黙知では継承が困難となり、ナレッジマネジメントが注目されています。ここでは、ナレッジマネジメントが注目されている理由について、さらに詳しく見ていきましょう。

組織の変化

従来は、終身雇用制度が当たり前で長期雇用される人が多かったため、暗黙知による継承が可能でした。しかし、近年は終身雇用制度が崩壊し、早期退職を募る企業も増えてきています。終身雇用制度が崩壊したことで、長期で働く社員が減り、暗黙知による自然継承が難しくなってしまったのです。
暗黙知による継承は膨大な時間も必要です。従業員の入れ替わりが激しくなることを考えると、形式知が必要となります。そのために、知識やノウハウを共有するナレッジマネジメントが注目されるようになったのです。

働き方が多様化してきた

近年は、オフィス以外の離れた場所で働くリモートワーク(テレワーク)が多くの企業で導入されています。他にも、週休3日制を導入したり、フレックス制度を導入したりと企業によって働き方が多様化しています。
こうして働き方が多様化すると、業務の属人化が露わになり、作業効率が悪化することもあります。ナレッジをシステムで共有し、いつでも閲覧できる状態にすることで、離れた場所で働く人との協働や不在時対応もスムーズに対応可能となります。

知識経済化が進んでいる

近年、企業経営に占める無形資産の比率が高まっています。知識経済化が進んだことから、知識の独自性の価値が重要視されるようになったため、ナレッジマネジメントが注目されはじめました。

IT技術の進化

IT技術の発展やDXの推進により利便性の高いツールが開発されるようになったため、システムやツールの扱いが簡単になってきています。知識の共有はもちろん、閲覧も簡単にできるようになったことから、さらに注目を集めています。

ナレッジ・マネジメントが日本ではまだあまり広まっていない理由

knowledge management7上記の理由から近年注目を集めているナレッジマネジメントですが、その概念や考え方自体は10年以上前から提唱されているものです。しかし、その必要性・重要性は理解されていたものの、現状はそこまで実行されていません。これはなぜなのでしょうか。

その理由として考えられるのが、アナログなやり方では実践が難しい点です。ナレッジマネジメント自体はマニュアルや質問集を作成するなどのアナログな方法で実行することも可能ですが、更新や修正に手間が掛かることや、そもそも存在を忘れられてしまいがちなことなどから、重要性が認識されていても実現が困難でした。
前述の通り、昨今はIT技術の進歩により、利便性の高いツールやシステムがリリースされています。ナレッジマネジメントがITによって実践しやすくなっており、今こそが取り組むべきタイミングといえます。

ナレッジ・マネジメントツールとは

knowledge management8では、どのようにしてナレッジマネジメントに取り組めば良いのでしょうか。

ナレッジやノウハウを属人化させず、社内に蓄積していくには、ナレッジマネジメントツールの導入が有効です。ナレッジマネジメントツールとは、ナレッジの共有に役立つツールのことです。
ツールを活用することで、従業員が保有する知識や経験をスムーズに共有することができます。専用のツールを使うことで、ナレッジマネジメントを効率よく進めていくこともできるでしょう。

活用ツールは1つに絞るのがポイント

ナレッジマネジメントは、誰でも、どんな時でも必要な情報をすぐに確認できることが重要です。ただし、さまざまなツールを導入し、バラバラに情報を管理しても意味がありません。

急速にリモートワークが加速したことにより、複数のシステムを多岐にご利用していませんか?
システムが多岐にわたると、コミュニケーションにかかる工数が多くなり、データベースも分断されているためデータの活用も難しくなります。どれだけ有用なデータを蓄積しても、どこに何があるかが分からなくなり必要なデータを探すのに時間が掛かってしまっていては、業務の効率化につながりません。
顧客とのやり取り、社内メンバーとのやり取り、協業先とのやり取りなどを1つのプラットフォームで管理するのがおすすめです。管理がしやすく継続的に社内のナレッジツールとして活用でき、更にはデータとして蓄積することで業務・サービス改善に取り組むことができるでしょう。

ナレッジマネジメントには「Circlace®」

knowledge management9弊社の提供する「Circlace®︎」は、業務で発生したコミュニケーションやファイルのやり取りなど全ての情報を蓄積し、共有、ナレッジとしての活用や分析を通して業務の可視化や効率化、サービス品質の改善を実現できるツールです。
蓄積した情報を形式知化し、全活動記録から必要な情報を一瞬で検索できるためナレッジとして活用できます。
< 統合型デジタルコミュニケーション・プラットフォーム「Circlace®︎」>

■ツール統合による可視化と効率化
コミュニケーションと管理に必要な機能が整備されているため、複数ツールを使う煩わしさ、情報の分散が解消されます。

■集まった情報をナレッジとして活用
ルールやノウハウ、過去の業務も瞬時に検索が可能。属人化の防止、自己解決力アップ、業務引き継ぎもスムーズに行えます。

■活動データを元に業務・サービス改善へ
担当者の業務負荷状況を把握しボトルネックを解消。また顧客のニーズを把握し、顧客満足度向上にむけた活動が行えます。

参考:
 
株式会社Innovation & Co.|ITトレンド「ナレッジマネジメントの手法とは?導入方法や考え方を知って活用!」
https://it-trend.jp/knowledge_management/article/merit 2022年2月25日

株式会社Innovation & Co.|ITトレンド「ナレッジマネジメントツールとは?導入効果や機能をわかりやすく解説」
https://it-trend.jp/knowledge_management/article/tools 2022年5月26日

パーソルワークスデザイン株式会社|「ナレッジ・マネジメントの意味や手法、注意点について解説」
https://www.persol-wd.co.jp/column/knowledgemanagement/ 2022年2月25日

ProFuture株式会社|HRプロ「「ナレッジマネジメント」の意味や手法とは? テレワーク下における効果、デメリットなどを紹介」
https://www.hrpro.co.jp/series_detail.php?t_no=2453 2021年6月28日

株式会社識学|識学総研「ナレッジマネジメントとは?その手法や導入方法、ツールを徹底解説!」
https://souken.shikigaku.jp/5408/ 2022年1月22日

株式会社あしたのチーム|あしたの人事オンライン「ナレッジマネジメントとは?注目される理由と導入効果、事例を解説」
https://www.ashita-team.com/jinji-online/organization/8490 2020年3月17日